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VSF"Velocity,Speed And Force"(Dunk Yer Funk! DYF 012)1988

velocity.jpg

VSFは'80年代後半にLA在住の3人のヒスパニック系アメリカ人に
よって結成されたグループ。メンバーはホセ・ヒメネス・Jr.
(Jose Jimenez Jr.)、サム・ヘルナンデス(Sam Hernandez)と
サンティアーゴ・ヒメネス(Santiago Jimenez)です。

三人は幼なじみで、子供の頃は地元にふたつあったアーケード街を
繋ぐ道路にゲットーブラスター(大型のラジカセ)を置いて、エレクトロ~
ファンク~イタロ・ディスコ~ニュー・ウェイヴ等の曲を大音量で
鳴らしながら盛り上がっていたそう。'83年当時はジョンザン・クリューの
"Pack Jam"、サイボトロン"Clear"、マジック・マイク・クリューの
"Magic Mike Theme"等を聴いてブレイクダンスを踊り、手を打ち
足を鳴らして大騒ぎだった...とのこと。

それが翌年になり、ブレイク・マシーンの"Break Dance Party"を聴いた
頃から三人は違和感を感じるようになっていったそう。エレクトロ系の
音作りがポップス系の曲にも取り込まれて軟弱になり、子供向けのTVのCMでも
その手の音が聞こえてきたり、ジャズ・ダンスの教室でもエレクトロの
クラスが開かれるようになる-といった事態に及んで、三人はかなり落胆した
そうです。

そして、三人は「ヒップな音楽」だった頃の自分たちのエレクトロを取り戻すために、
自らもレコーディングを始めます。彼らは自作したシンセは持っていたものの、
ドラム・マシンが無かったため、初期の頃は既成のリズム・トラック(ウィルスデン・
ドジャース
の"Jive Rhythm Tracks"みたいなものか?)が入ったレコードをテープに
録音して編集でループ化し、それをアセテートのアナログ盤に落としたものを
プレイヤーで再生しながら同時にシンセの演奏をかぶせて録音していたそう。
そんな形で何曲か完成はしたものの、コネも財力も無かったため、当初はその
音源が世に出ることはありませんでした。

悶々とした状態が数年つづき、世間ではギャングスタ・ラップやマイアミ・ベースが
流行りはじめていた頃、ホセはオーディオ・テック(当時はモデル500のメンバーとして
活動していたホアン・アトキンスのソロ・プロジェクト)のシングル"I'm Your
Audio Tech"('87年)に衝撃を受け、自分の音楽を出すなら今だ!と決意。彼らは
JDCレコード(ナイツ・オブ・ザ・ターンテーブルスをリリースしていた会社)に
デモ・テープを送り、テープを気に入ったJDC側は傘下のダンク・ヤー・ファンクから
シングルをリリースすることを決定します。

素人同然だった彼らはその後のプロの環境でのレコーディングにも相当苦労したようですが、
なんとか今作を完成し、'88年にようやく発表にこぎつけます。プロモーションのため
幾つかのクラブでもパフォーマンスを行ったりもしたそうですが、観衆の反応は薄く、
結果としてレコードは3,800枚しか売れず、JDCに多くの返品が戻ってきたとのこと...
'88年ではたしかにもうエレクトロは古めかしい音楽としてしか聴こえないものだった、
ということかもしれません。その後エレクトロ好きたちによってこの曲が「再発見」され、
プレス枚数の少なさから余計に人気が高まっているのは皮肉な話です。

今作の作曲/アレンジ/プロデュース/演奏/ミックスはメンバー自身。エンジニアリングに
ナイツ・オブ~のチャールズ・ラモントが加わっています。

ピッチ変更した超低音の声がグループを紹介し、カウントダウンとサイレン音につづいて
アップ・テンポの打ち込みビートがスタート。短くヴォコーダーが入った後シンセ・
ベースが加わり、低くウネる中をシンセがメインのメロディを弾いて曲が進んで
いきます。ヴォコーダーやオーケストラ・ヒット、ハンド・クラップ/スネア連打等を
随所に交えながらインスト中心に曲は進み、終盤にスペイン語のナレイションが
入って終わります。

SFアクション映画のテーマ曲のような、テンション高いアップ・テンポのインスト。
ちょっとポール・ハードキャッスル「19」にも通ずる下世話さもあって、個人的には
今イチでした。ジャケに貼られたステッカーには「ハイ・テック・ラテン・ファンク・
ジャム!」と書いてあるのですが、ラテン色は殆ど感じられないのも不満です...
B面の"Look At The D.J.'s"は、シンプルなTR-808のビートをバックに、メンバーが
ラジオ/クラブDJたちに謝辞を述べる曲なのですが、9分間殆どただ人の名を読み上げて
いくだけのあまりにも淡々とした展開...なかなかブッ飛んだ感覚の方たちのようです(汗)。








レコーディングの模様を記録した貴重な映像。イントロのナレイションを録音するメンバー、
キーポードに向かうホセ、リズム・トラックにリアル・タイムでシンセをかぶせる様子、
ミキシング~2か月後のマスタリング、レコードが完成してご機嫌なメンバー...等が映っています。

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クロい音楽全般が好きなのですが、 ここではエレクトロとオールド・スクールの アナログ盤に絞って紹介していきます。

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