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Various Artists"Diggin' In The Crates - Profile Rap Classics Volume One"(Profile PRO-1449)1994

diggininthecrates.jpg

"Diggin' In The Crates~"は'94年にプロファイル・レコーズから
リリースされたコンピレイション。タイトルからもわかるように、
同レーベルからリリースされたヒップホップ系の曲を集めたもの
です。選曲者のクレジットはありませんが、プロファイルのスタッフ
によるものと思われます。また、前々回紹介したホット・プロダクション
のコンピとタイトルが酷似していますがそちらとの関連はありません。

ライナーを担当しているのは「ビルボード」誌のダンス・ミュージック系の
コラムを執筆していたブライアン・チン。'94年時点でおよそ10年前の
この頃のヒップホップ界の事情について詳しく記しています-ナイル・
ロジャースがまだ現役バリバリで、ヒップホップのレコードは
彼らのようなミュージシャンのヒット曲を生演奏でカヴァーした
トラックに乗せて唄われる「ディスコ・ラップ」として作られていた/
アーサー・ベイカーは打ち込みの16ビートのキック・ドラムが
ファン・ハウス(ジェリービーンがDJを務めていたクラブ)の観客たちを
熱狂させることに気が付いた-などなど。この辺のことがおそらく
'82~'83年のことで、その2年後にサンプリングによるトラック作りが
「発明」されヒップホップの音作りが急速に変化、その中から登場した
ラン=DMCがプロファイル最初のビッグ・スターとして紹介され、
そこから収録アーティスト各々の曲にふれていく…といった流れです。

その他に収録されているのは、ワード・オブ・マウスDr.ジキル&Mr.ハイド
パンプキンスパイダー・Dフレッシュ・3・MCズ等、当ブログでも
既に紹介済の方々のほか、ショウボーイズ、女性ラッパーのペブリー・
プー(元マスタードン・コミッティー)、スリック・リックとのつながりで
知られるダナ・デインなど。あまり統一性が無いというか、レーベル独自の
カラーが感じられるメンツでは無いですね…エリック・マシュー
ショウボーイズのメンバーでもあるクリフ・ホール、R&B系の作品にも
多数関わっているデイヴ・オグリン辺りのプロデュース作が多いのですが、
この辺のプロデューサーの関係者たちと順次契約を結んでいったような
感じでしょうか。

ショウボーイズの"Drag Rap"はこの後、イントロのシンセのフレーズが
ニュー・オーリンズ産の「バウンス・ミュージック」のサンプリング源として
多用される曲ですが、ブライアンのライナーでも既にそのことが触れられて
います。当時は全く気にしていませんでした(汗)。

全体としては、エレクトロからサンプリング・ループへの移行期-ヒップホップが
NY中心から全米規模へ拡大していく直前ぐらいの曲を集めた感じです。
どマイナーなタータウンからプロファイルが権利を買って出し直した
ラメルジーの"Beat Bop"も入っていますが、すごく浮いて聴こえます^^;



ザ・ショウボーイズ"Drag Rap (Triggerman)"




パンプキン&ザ・プロファイル・オールスターズ"Here Comes That Beat!"





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Bambaataa's Crates

unnamed.jpg
左からカット・ケミスト、バンバータ、DJシャドウ。

ときどきやるネットで拾った記事の紹介、今回は「Wax Poetics」からです。
今回はエレクトロ色は殆どありません(汗)。

「Wax~」誌の不定期連載企画で"Record Rundown"というのがありまして、
ミュージシャンやDJがお気に入りのレコード、影響を受けたレコードを
10枚ほど取り上げ、内容を紹介するのですが、この記事ではその番外編として、
カット・ケミストがアフリカ・バンバータのレコード・コレクション(!)から
12枚を選んでいます。

そもそものきっかけは、バムの4万枚のレコード・コレクションを寄贈され、
現在管理しているコーネル大学のスタッフからDJシャドウとケミストに
オファーがあり、二人は二つ返事でNYへ飛んでそのコレクションを見に
行ったとのこと。シャドウは「'81年から自分でもレコードを集め始めて、
その頃から既にバムは"(ヒップホップの)ゴッドファーザー"、
"マスター・オブ・ザ・レコード"として伝説の存在だった。ヒップホップ・
カルチャーを定義してきたDJとして、全ての道は彼へと繋がっている。」と
語っています。

更にコーネル大側からはそのレコードを使用してDJプレイを行うショウを
やらないかというオファーがあり、バムを高くリスペクトするシャドウは
バム本人の許可を得てなら・・・と持ちかけたところ、御大からも快諾を
得て、「レニゲイズ・オブ・リズム・ツアー」が実現することになります。


renegades_flyer.jpg
「レニゲイズ~」のフライヤー


二人は膨大なレコードの山から数百枚を選び出し、改めて現物を何度も
聴いてDJで使用するレコードを選定したそうですが、その過程は興奮の
連続だったとのこと。「最初の1800枚をまず見た時、ジャケットには
全てバムの名前が記され、ナンバリングが施されているのを見て、
ヒップホップを調理するためのいちばん最初のレシピ-あらゆる
ブレイクビーツ-が揃っていると思った」「一度も見たことのないような
オールドスクール・ラップのアセテート盤や、ディスコのレコードに
シールが貼られ"シュア・ショット"と手書きされているもの-聴いて
みるとすごいブレイクが入っている-等がつぎつぎと出てきた。」
「後に我々がブレイクやサンプリングのネタ探しをするようになる
はるか先に、彼はここまでのことをやっていた」等と語っています。

実際のショウは、それらのレコードからレアなものばかりを選んで
プレイするわけではなく、ヒップホップのエッセンスを定義するもの、
その誕生から進化の過程を音で解き明かすような選曲になっているとのこと。
ジョニー・ペイトの"Shaft In Africa"のサントラやアイザック・
ヘイズの"Truck Turner"のようなブレイクビーツの「古典」も使用
しているそうです。そんな聴き馴染んだ曲でも、例えばギャズの
"Sing Sing"は12インチとアルバムを両方用意して、微妙なヴァージョンの
違いを使い分けるブレンドを行ったりもしているようです。

さて、そんな中から記事のためにカット・ケミストが選んだ12枚の
レコードが何なのかは元のページ(ページ下方の「Next」をクリックして
いけば見れます)を参照してほしいのですが、ブログで改めて取り上げたいのが
本文には出てこないけれども写真には写っているレコード。バムの
DJミックスの模様はポール・ウィンレイから出た「デス・ミックス」等で
聞くことが出来ますが、それらの音源では全く使われていないような
マイナーなもの、意外なレコードも現場では使われていたことが
わかります。「Wax~」以外のHPにも関連した記事があったので、
そちらからも画像を拾ってきて解析してみました。

cat_stevens01.jpg
スペシャル・リクエストやフィアレス・フォーの元ねたとしてもおなじみキャット・スティーブンスの"Was Dog A Doughnut?"の12インチ。
本来はアコギ爪弾き系のシンガー=ソングライターですが、この曲は突然変異的にエレクトロ魂が爆発しています。



gary_newman01.jpg
"Cars"を収録したゲイリー・ニューマンのファースト。これもフィアレス・フォーも使用していました。


dayton01.jpg
シールで隠されているためレコード番号しかわからない12インチ。「SP-209」という番号から検索して
オハイオのファンク・バンド、デイトンの"Cutie Pie"であることが判明。



bob_james01.jpg
定番ブレイク"Take Me To The Mardi Gras"を含むボブ・ジェームスのCTIでの2枚め。
こんな有名な盤でも隠してしまうのか?



jimmy_castor01.jpg
こちらも定番、"It's Just Begun""Troglodyte"等を含むジミー・キャスター・バンチのファースト。
個人的にもレア・グルーヴに開眼した思い出の一枚。



pil01.jpg
パンク/ニュー・ウェイヴ好きにはおなじみPILの「フラワーズ・オブ・ロマンス」ですが、
これを黒人のバムが嬉々として聴いていたかと思うと^^;



evidence01.jpg
フランスのプロデューサーによるディスコもののプロジェクト、エビデンス。初めて見ました。
時期的に'80年前後のものはかなり深く「掘られて」いる気がします。



avalanche01.jpg
これも初見だったオーストラリアのロック・バンド、アバランチ。
このジャケなのに聴いてみようとする心意気に感動(笑)。



pat_travers01.jpg
何のレコードかさっぱりわからないぐらいに隠されているのはカナダのハード・ロック系ギタリスト、パット・トラヴァースの
"Crash and Burn"。タイトル曲冒頭にたしかにブレイクが入ってます。



krafewerk01.jpg
「ヨーロッパ特急」の12インチもやはりありました。これを聴きながら「プラネット・ロック」の曲調を練った(?)かと思うと胸熱。


・・・などなど。ほかにもたくさんあるのですが、一枚々々あげて
いくとすごく長い記事になってしまうので、↓表にしてみました。
youtubeに関連動画もあったので、そちらとあわせてどうぞ。

_bam_record_list03.jpg
表は恐れ入りますがDLして拡大してご覧ください・・・







プロフィール
クロい音楽全般が好きなのですが、 ここではエレクトロとオールド・スクールの アナログ盤に絞って紹介していきます。

KDMX

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