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"Wax Poetics Anthology Volume 1"(Wax Poetics Books)2007

waxpoetics.jpg

またネタ切れになってしまったので、しばらく更新はお休みします。
前回休んだ時は4か月ほどで復帰しましたが、最近はレコードを入手する
ペースが大幅に落ちて(今年に入ってから新たに手に入れたのは3枚ぐらい...)
いるので、今度はかなり長期間になると思います。追い打ちをかける
ように円安が進行しているのにも参りました(汗)。

今回画像を挙げたのは、アメリカで発行されている雑誌"Wax Poetics"の、
現在では入手困難になってしまった初期の号(1~5号)の記事から選りすぐった
合本。"Wax~"は、数年前から日本版も発行されているのでご存じの方も多いと
思いますが、ヒップホップ/ファンク/ジャズ/レゲエ/ハウス/ラテン等の
音楽/ミュージシャンを独自の切り口で紹介する雑誌。現役の人も取り上げますが、
それと同列に'60~'80年代のミュージシャンにも取材して、新たな視点や
謎を解き明かすような掘り下げを行っています。

この本は全体を大きく3つに分け、最初の"Music Is The Message"では
バーナード・パーディ、クライド・スタブルフィールド等のドラマーから、
ウェルダン・アーヴィン等のジャズ、ファニア・レーベルのサルサ、
キング・タビーがダブを「発見」した瞬間、など主に'70年代の
ミュージシャンの記事を取り上げ、つぎの"Hip Hop And It Don't Stop"
ではプリンス・ポール、ダ・ビートマイナーズ、ダイアモンド・D等の
プロデューサーや、最初期のグラフィティ・ライター、トレイシー・168の
記事などヒップホップ関連全般を、最後の"Check Your Bucket"では
「アルティメイト・ブレイクス&ビーツ」の全曲目リスト、ルイ・ヴェガが
選ぶお気に入り12インチ、フィラデルフィアのレコード・ディーラー、
ヴァル・シヴリーの膨大なコレクション...等レコードそのものにこだわった
記事がまとめられています。

普通は音楽雑誌というと、新譜が出たミュージシャンのインタビューや
新作の分析、巻末にはディスク・レヴューといった具合に新作中心に廻して
いくものですが、この雑誌はその辺を殆ど切り捨てて、レコード・ディガー達に
向けたクロい音楽、いい音楽を紹介する姿勢に徹しているところが素敵です。

ただ、最近の号はネタも尽きてきたのか割とメジャーなミュージシャンの
足跡を辿る的なものが多くなってきているのが残念...まあ、あまり重箱の隅を
つつくようなものばかりでは商業誌として成り立たないのだろうとは思いますが。

この合本には特にエレクトロ関連の記事は載っていないのですが、他の号では
「プラネット・ロック」誕生秘話を明かす21号、ニュークリアスのインタビューが
載った27号、エジプシャン・ラヴァー&アラビアン・プリンスの合同インタビュー
入りの32号、フレディ・フレッシュがお気に入りのエレクトロ/オールド・スクールの
シングルを紹介する29号等があり、このブログの記事を書く際にも参考になりました。

そんなわけで、またネタがたまってきたら再開しますので、それまでしばらく
お待ちください。



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The Unknown Force"Females"(Macola MRC 0936)1986

unknownforce.jpg

ジ・アンノウン・フォースはサン・フランシスコ北東のサクラメントで
活動していたデュオ。メンバーはレオ・ベネット(Leo"Romeo Ⅲ"Bennett)と
マーロン・ケリー(Marlo"Prince Julian"Kelly)です。この名義でリリース
しているのはこのシングル一枚。

二人の詳しい経歴は不明...どうやらこの曲がデビュー・シングルのようですが、
その後メンバーにDJチャンことスティーヴ・ランバートを加えてグループ名を
ザ・ビート・ボーイズに改名し、2枚シングルを発表しています。その後は
解散してMC陣がソロに転じ、レオはマチョー・マン・MC・ロミオ~H-ウッド等と
名乗って'90年代アタマまで活動。ロミオ時代にはキャメロン・ポール
タンデム・レコーズからシングルを発表しています。マーロンの方は
プリンス・ジュリアン~サブ-ゼロ等と名義を変えて現在も活動中です。
地方都市でくすぶり続けたまま、ず~っと来てしまった...みたいな感じ
でしょうか。

今作は'86年に西海岸の大手インディ・レーベル、マコラからリリースされたもの。
作曲/アレンジはメンバーの二人、プロデュースもビート・ボーイズ名義なので
彼ら自身ということになります。おそらくメンバーが自費で録音したものを
マコラが買い上げてレコードにしただけなのでしょう。

イントロからディレイ&エコーのかかったTR-808がアップ・テンポのビートを
刻み、ドロドロのシンセ・ベースが闇雲に鳴らされます。その後男性が
"What the Unknown Force?x2 Baby!"と下品なトーンで煽り、"Females"という
囁きと"Oh!"という掛け声がコール・アンド・レスポンス。ベース・ラインと
全くかみ合わないコードでホーン・シンセがリフを弾いた後、メンバーが
ユニゾンで唄いはじめます。詞は「オレの行くところ、どこでもイイ女が
目に付いて困ってしまう...ビーチで、店で、ディスコで...ホントにオレって
オンナが大好き」みたいな調子なのですが、素人丸出しのヘナヘナなヴォーカル、
殆ど音痴と言ってもいいようなひどい音程に腰がくだけます。サビで(英語ですが)
「オンナ、オンナ、オンナ~」と唄った後TR-808のみに抜けるドラム・ブレイクが
30秒ほと入り、今度は"I Love The Females~"というメチャメチャなメロディの
コーラスに乗せて"The Females Are So Good,Yes!"等とキメ台詞を連呼します。
その後、風のような音色のシンセのソロが入り、MCがソロでラップ&ガヤが始まって
やっとまともなヒップホップぽくなるか、と期待するとそのパートは1分ほどで
終了(笑)。つづいてはホーン・シンセとユニゾンで"I Love The Females~
I Love Them All"と唄いはじめ、その唄が徐々にトランスフォーマー・スクラッチ風に
「アアィ・ララヴ・ザザ・フィフィメール~」と変わっていくのですが、どう聴いても
レコードをコスっているのではなく口真似です(汗)。その後はシンセ・ベースの
ソロやバスドラ連打のブレイク、リスナーに「オマエもオンナ、オンナって言え!」
等と呼びかけたりしつつ、9分以上の長い曲が終わります。

エジプシャン・ラヴァーアンクル・ジャムズ・アーミーのローカルな
劣化版コピーみたいに切り捨ててしまってもいいのですが、めちゃくちゃな
曲の構成やアレンジ、音痴にしか聞こえない唄、詞の内容は(失礼)バカ丸出し、
という過剰なハミ出しぶりが逆に価値を生んでしまった一枚で、コレはエレクトロ界の
シャッグスかダニエル・ジョンストン、とでも言いたくなる珍盤です。真面目に
音楽的な質の高さを望む人には全く用無しですが、マコラから出た盤の中では
極めてプレス枚数が少ないことも相まって、コレクターの間では人気が高い...
こういうのに手を出すようになると収集も泥沼ってことですかね(汗)。



Kool D. Ultimate MC's"Free Style"(T.A.Sound TA 100)1985

kooldultimate.jpg

クール・D.・アルティメイト・MCズは'85年にこのシングル一枚のみを
残して消えてしまった謎のグループ。メンバーの経歴や、各々の名前すらも
わかりません。

プロデュース/アレンジを担当したピーター・A.・アレンとブライアン・Q、
エグゼクティヴ・プロデューサーとクレジットされているトッド・ワード&
オコ・オコジェリ(アフリカ系か?)に関してもこの一枚以外のレコーディングは
見当たらず...レーベル面の最下段に「NYでラップを作ってくれて感謝」と謝辞が
述べられているバリー・メイヨとトニー・Qは、NYのラジオ局KISS-FMのDJと
ディレクターですが、彼らが制作に直接関わったようには見えないし...

Discogs内のこのレコードの詳細にencarnitaなる人物の投稿があり、それによると
彼らはこの翌年に"That's What I Hate"というシングルを発表している
マスターピースなるグループと同一とのこと。ただ、マスターピース側のデータを
見てもスタッフで重なる名前の人は居ないし、NY録音と思われるクール・D~に対して
マスターピースはマサチューセッツのレーベルからのリリースなので、真偽のほどは
不明です。"That's What~"は私も入手出来ていないので、この辺は今後の課題という
ことで...

グシャグシャとコスるスクラッチ音からスタートし、グループ名の"Ultimate!"が
スクラッチで連呼された後、TR-808がミディアム・テンポのビートを刻みだし、
マリンバ風のシンセが短くリフを入れます。つづいてブヨブヨのシンセ・ベースが
加わると同時に男性がラップを始め、ドスの効いたトーンで自らのMCスキルを語ります。
サビで短く冒頭のマリンバ風シンセと"Free Style!"という掛け声が入った後は
MCが交代しますが、ドラムとシンセ・ベースのみをバックにえんえん喋り倒す形は
変わらず。中盤に短くスクラッチがソロを取った後は再びMCのソロに戻り、3人いる
MCが順にマイク・リレーしていき、終盤はドラム/シンセ類が抜けてスクラッチのみを
バックに喋りながら終わります。

ラップの中でメンバーが「ジャジー・ジャズ」とか「クール・D」等と名乗っていたり、
「ニュー・ジャージーで~」と言ったりする部分があるので、この辺を調べれば
もう少し彼らのことが詳しくわかるかもしれません。ループ状のフレーズを繰り返す
シンプルなトラックのみをバックに、なかなかのテクニシャンが揃ったMCがライムを
聴かせる音は、初期のLL・クール・Jを思わせる感覚でカッコ良い。エレクトロと
ハードコアなヒップホップの中間のような印象で、個人的にもお気に入りの一枚です。



このレコードは、オフィシャル・リリース前のテスト・プレス盤も出回っているのですが、
その盤には何故かレーベルにパンク/サイコビリー系バンド、クランプスの
"Gravest Hits"('79年)のものが貼られています。謎は深まる...

koold_1stpress.jpg








O.G.C."Bugging Out"(Web WB 77303)1985

ogc.jpg

O.G.C.は"Old Gold Crew"の略。'90年代にアルバムを出していた
ブート・キャンプ・クリック一派のグループとは無関係です。メンバーは
クール・アイス・C、チャーリー・D、レグ・ラヴ(Reg Love)、マネー・マイクの
4名。作曲者に名のある4名-R.Toney,T.Clair,M.Gibson,C.Dozier-が各々の
本名と思われます。

彼らは'70年代からニュークリアスのライヴァル・グループとして活動していて、
様々な場面でお互いに張り合っていたそうですが、個々のメンバー間では仲良く
していたとのこと。もともとグラフィティ・ライターだったチャーリー・Dは、
コズモ・D(ニュークリアスのリーダー)のグラフィティの師匠的な存在、
レグ・ラヴはニュークリアスのDJのドクター・フリーズと旧知の中だった、
クール・アイス・Cはコズモのプロデュース作にたびたびゲスト参加していた、
マネー・マイクはこの後ニュークリアスの変名グループに関わる・・・等々。
おそらくクリスチャン系のアーティスト独特のサークルみたいなものが
あったのではないかと思うのですが、そんな親密な間柄から、コズモ・Dと
チリー・Bのジャム・オン・プロダクションズでは初の外部アーティストの
プロデュース作として今作が作られることになります。

レーベル上のクレジットではプロデュースはニュークリアスの時と同様に
ジョー・ウェッブとフランク・フェアの二人になっていますが、実際に
音を作っていたのはコズモとチリーのコンビ。レーベルのWebはこのシングル
1枚しか確認出来ていないところですが、ジョー・ウェッブ個人のレーベル
だとのこと。

DMXのアップ・テンポのビートと共にメンバーがユニゾンで"We Buggin'x3,
ハッハーッ、We Buggin' Out!"と唄い、それが何度か繰り返された後に
集団ラップがスタート。フューリアス・ファイヴトレチャラス・スリー
思わせる正統派のスタイルで、DMXとわずかなシンセ・ベースのみをバックに
MCの力で冒頭2分ほどを引っばり、その後TR-808やホーン・シンセが加わって
きます。短い間奏を挟んでソロ・パートがはじまり、自分たちがいかに優れた
MCかをアピール+小節末ではガヤという形で盛り上げ、キメでは冒頭のコーラスが
呪文のように繰り返されます。ところどころにシンセ・ソロやドラム・ブレイクが
入りつつ集団ラップ中心で曲はすすみ、一段落してメンバー間の会話~コーラス~
スネア連打で終了。

ニュークリアス本体の作品では、もっとシンセ類の音色やヴォコーダー等を
前面に出しているように思うのですが、今作での主役はメンバー達による
集団ラップ。リズム重視のシンプルなトラックと、強くアクセントをつける
MCたちの暴れっぷりがカッコ良い。隠れた名作のひとつと言っていいのでは
ないでしょうか。



レーベルの色はゴールド、オレンジ、ピンクの3色がありますが、
ゴールドが初回プレス盤だとのこと。

The Troids"Boggie Troids(From Mars)"(Metrexx MT 4001)1984

troids.jpg

トロイズはプロデューサー/アレンジャーのルイス・ウェスト
(Lewis West)とピーター・ブリーラヴ(Peter Breelove)による
プロジェクト。この名義ではこのシングル1枚しかリリースしていません。
レーベル面には「アルバム"Space Bandit"からのシングル・カット」と
書かれていますが、そのアルバムも発表されていません。

二人の詳しい経歴は不明ですが、どちらも'83年前後から活動を
始めています。今作には不参加ですが、二人とよく仕事をしているのが
バーナード・トーマス。彼が関わったヴェリチェリ、ニュース・クルー、
エレクトリック・パワー・バンド、4・キラー・MCズ等のレコーディングに
ルイスかピーターの何れかが参加しています。トーマスやザキア・レーベルの
勢いが落ちていくと同時に二人の名前も見られなくなっているので、
トーマスの子飼いのミュージシャンということで間違いなさそうです。

今作の作曲/プロデュース/アレンジ/演奏はルイスとピーターの二人。
曲名は"Boggie~"となっていますがこれは"Boogie Troids"のミススペルの
ようです。

シン・ドラムとハンマー・ビートをバックに、ダース・ベイダーのような
「ハー・ハー」という呼吸音と太い男声のナレイションが入り、「我々は
トロイズだ。ただいま地球に接近中~」等と語ります。つづいてTR-808が
アップ・テンポのビートを刻み、シンセ・ベース/ホーン・シンセも加わります。
ピッチ変更した子供声の宇宙人が「あれが地球だ!」と騒いだかと思うと、
"We Are Boogie Troids From Mars!"と繰り返します。「プラネット・ロック」
派手にしたようなトラックをバックにチップマンクス風ラッパーが唄う・・・
というかたちで曲が進んでいきます。ところどころで冒頭の親玉宇宙人と
会話してアクセントをつけつつ、世界中をトロイズ流ダンスで盛り上げ、
ひととおり終えると地球を離れ、宇宙船の離陸音のようなシンセで終わります。

宇宙をテーマに子供のようなピッチ変更声がユニゾンでラップして盛り上げる、
というスタイルはニュークリアスの"Jam On Revenge"を明らかに意識したもの。
ルイス達は最後までこれといったヒット曲を出せなかったのですが、その過程で
いろいろと試してみたもののひとつがこれなのでしょう。パクリ云々を気に
しなければ、なかなかカッコ良いエレクトロに仕上がっています。






白レーベルのプロモ盤は微妙にヴァージョンが違い、曲名のスペルも
"Boogie Troids"になっています。

プロフィール
クロい音楽全般が好きなのですが、 ここではエレクトロとオールド・スクールの アナログ盤に絞って紹介していきます。

KDMX

Author:KDMX

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