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Run-D.M.C."It's Like That/Sucker M.C.'s"(Profile PRO 7019)1983

rundmc.jpg

おなじみラン-D.M.C.はクイーンズのホーリス地区で'81年に結成されたグループ。
メンバーはランことジョーゼフ・シモンズ、DMCことダリル・マクダニエルズ、
そしてDJのジャム・マスター・ジェイことジェイソン・ミゼルの3名です。

十代前半のころ、ランは7つ年上の兄ラッセル・シモンズに影響を受けて
ヒップホップに興味を持つようになり、ラッセルが当時マネージャーをつとめていた
カーティス・ブロウのステージでDJとして活動を開始します。同じころ、ランの
友人だったDMCもターンテーブルを入手してDJをはじめていたのですが、ランは
いずれDMCもライミングを始めるだろうと予測していたとのこと。すぐにその
通りになり、「イーズィ・D」という芸名も考えてDMCもライムを書くように
なるのですが、しばらくは人前でパフォーマンスすることは無かったそうです。

'80年ごろには二人でツルんで活動するようになっていたのですが、その頃
ホーリス周辺で一番のDJとして話題になっていたのがジャム・マスター・ジェイ。
地元の公園でランとDMCの二人はジェイの目の前でパフォーマンスを披露してみせ、
3人は友人となります。同じころ、ブロウのマネージメントが軌道に乗ってきた
ラッセルの手引きでランはソロ・シングル"Street Kid(レーベル等不明)"を
発表するのですが、セールスは振るわず話題にも全くならずで結果は惨敗。
それでもヒップホップへの情熱は強かったランは今度はDMCとのデュオでの録音を
希望するのですが、当初はラッセルがDMCのライミングを認めず、1年ほどは
地元での活動が続きました。

二人は大学に入学した'82年にラッセルを説得し、ようやくグループでのレコーディングが
実現します。その頃にはジャム・マスター・ジェイも正式なDJとしてメンバーに
加わり、ラッセルの発案でグループ名はラン-D.M.C.を名乗ることになります。
'81年に設立されたばかりだったディスコ/ヒップホップ系のレーベル、プロファイル
との契約を取り付け、デビュー曲として録音されたのが今回のシングルです。

プロデュースはそんなわけでラッセル・シモンズと(バックの演奏を担当した)
オレンジ・クラッシュのラリー・スミス。ミックスにはカーティス・ブロウが
参加しています。

DMXのスネアが連打され、風音を模したシンセと火花のようなハンド・クラップが
鳴る中、ジャン!とオーケストラ・ヒットが響いてスタート。一音を繰り返す重い
ベースも加わる中、二人のMCがテンション高く掛け合いラップを聴かせます。
二人で"It's Like That,And That's The Way It Is"とハモった後、ドラム・
ブレイク~という流れが何度か繰り返され、アクセントにパーカッションが
入ったり、ブレイク部分のドラムが重低音化したりされ、終盤はリズム・パターンが
わずかに変わってフェイド・アウト。

2曲めの"Sucker M.C.'s"のほうはよりシンプルで、スネア/バスドラ/ハンド・クラップが
ファンキーな1小節のビートを繰り返す中を、二人がダメなMCたちを罵倒していく曲。
他には2回ほどスクラッチが入るだけの激ミニマルな音です。この曲は詞の内容から
DJ/MCバトルの際に煽り用によく使われています。

DMXを使用したドラムにはエレクトロ的な音作りが引き継がれているわけですが、
メロディアスな要素を排し、ヘヴィな重低音ドラムと押しの強い二人のMCを前面に
出したアレンジには、それまでのエレクトロやディスコ・ラップとは全く違う、
ゴツゴツとして骨太な感覚がありました。私もリアル・タイムで初めて聴いた時は
「コレでも音楽と言っていいのか?」とショックで部屋にぶっ倒れた(恥)記憶が...
この翌年にデビューするL.L.クール・Jと並んで、ヒップホップがよりヘヴィで
ハードコアな音に深化していく先駆けになったわけですが、同時にエレクトロの
時代が終わることにもなっていくのでした..."Sucker M.C.'s"のイントロ部分は
今も「突然自分の頭の中で鳴りだす度」No.1です。










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Whistle"(Nothing Serious)Just Buggin'"(Select FMS 62267)1985

whistle.jpg

ウィッスルは'85年にNYのブルックリンで結成された3人組のヒップホップ/R&B
グループ。後にメンバー・チェンジを経て唄もの専門のスウィート・コーラス系
グループに変貌してしまうのですが、デビュー当時はラップも唄もやる両刀グループ
でした。オリジナル・メンバーはジャジー・ジャズ(本名ギャビン・ダブリン)、
クール・ドゥービー(同ブライアン・ファウスト)、DJ・シルヴァー・スピナー
(リックフォード・ベネット)の3名です。

'86~'92年の間に4枚のアルバムを出している、そこそこ人気のあったグループ
なのですが、メンバーの経歴や結成の経緯は全くわからず...ヒップホップ畑からも
R&Bの世界からも中途半端なポジションだったのが災いしているのでしょうか。
'80年代前半ごろというと、グランドマスター・フラッシュ辺りでもアルバムには
スウィートなバラード・ナンバーも入れていたりするので、この手の音が珍しい
わけでもないのですが...

"Just Buggin'"は'85年にリリースされた彼らのデビュー・シングル。作曲と
プロデュースはUTFOのメンバーだったカンゴール・キッドと、元CDIII
ハウイー・ティー。二人がギネア・プロダクションズなる制作会社を立ち上げての
初仕事にもなるようです。UTFOやCDIIIも、唄もの的なニュアンスも盛り込むことが
うまいヒップホップ・グループだったので、彼らを手掛けるのにはうってつけ
だったのかもしれません。

イントロからイーミュレイターを使用したサンプリング・ヴォイスが、ユーモラスに
「ボボボン~」と飛び跳ねるようなフレーズを繰り返し、その上に打ち込みのドラム・
ビートとパーカッションがゴーゴー風のビートを乗せていきます。更にサンプラーを
使ってスクラッチ風にプレジャーの"Celebrate The Good Things"のブレイク部分が
繰り返された後、メンバーがラップをスタート。短く自己紹介したと思ったらすぐに
イントロの「ボボボン~」が再び現れ、その後は本格的にラップが始まります。
サンプリング・ヴォイスのフレーズは途中でTVドラマの"Green Acres"のテーマに
変わったりする遊びを入れつつ、後半にはファズがかかったギターのようなサンプリング
音が加わり、スクラッチとラップがコール・アンド・レスポンスしたり、パーカッション
のソロが入ったりして曲は進み、最後に"Celebrate~"のスクラッチ音にエコーがかかって
唐突に曲は終了。

イントロから何度も繰り返されるイーミュレイターの「ボボボン~」音が印象的。
グレン・ミラーの"Five O'Clock Whistle"という曲の一節を引用したリフらしいのですが、
ノスタルジックでコミカルな味はどこかドゥワップの曲のベース・シンガーを連想させます。
サンプリングを多用した全体の雰囲気はボビー・ブルームの"Beat Freak"等と同様で
今聴くと古めかしく聴こえてしまうのですが、このリフ一発で印象をさらっていってしまう
感じでした。"Buggin'"というのは、敢えてバカバカしい行動をとる、みたいな意味のようですが、
この後しばらくヒップホップ界の流行語になっていた(こちらの項目4参照)そうで、
そんなところからも「芸能」としての面白味を感じます。





Kosmic Light Force"Myterious Waves"(Nightbeat Records NB 001)1985

kosmiclforce.jpg

コズミック・ライト・フォースは'85年にこのシングル1枚のみのリリースで
消えてしまった謎のグループ。メンバーは作曲者にクレジットがある
カイル・F.、マーケス、フュギンズ、トニー・D.ハインズの4名と思われますが、
この曲以外でのレコーディングが全く見つからず、各々の経歴は不明です。

レーベルのナイトビートはこの他にはブロンクス・スタイル・ボブの
"N.Y.Ninja"をリリースしているところ。住所が同じところなので、
ここはキッド・フロスト"Itchiban Scratch"を出していたエレクトロビートの
傘下のレーベルのようです。

エグゼクティヴ・プロデューサーとしてエレクトロビートのオーナーである
デイヴ・ストアーズがクレジットされていますが、彼へのインタビューによると、
今作では彼は演奏そのものにはあまり関与しておらず、コズミック~のメンバーと
デイヴのコラボレーション的なものとして制作されたとのこと。

ヴォコーダーが短くグループを紹介し、つづいてメタリックな音色のDMXがビチッ!と
歯切れよいファンク・ビートを刻みます。スペイシーなシンセが幾度かアクセントを
付けた後、フワフワした音色のシンセがハロルド・フォルターマイヤーの「アクセルF」を
意識したリフを繰り返す展開がしばらくつづき、その後その上をストリングス・シンセが
アンビエント風のソロを取って曲が進みます。半ばを過ぎたあたりでイントロの
ヴォコーダーが再び現れ、ヒューマン何たらと喋っているのですが発音が不明瞭で
殆どわからず...その後はまた2種のシンセのソロが繰り返される展開に戻り、終盤に
アドリブでのソロがわずかに入ってフェイド・アウト。

おそらくこの曲はポール・ハードキャッスルの作品や、前年にヒットした「アクセルF」の
ように、エレクトロ/ヒップホップ的なビートにアンビエント風なシンセを乗せたインスト曲
としてヒットを狙ったものと思われます。エレクトロ好きたちの間ではけっこう人気も高く、
ところどころでデイヴ作品らしい小ワザも効いてはいるのですが、個人的には今ひとつ。
リッチ・ケイソンのソロ等と同じで、キーボード主体の曲だと、どうしてもソフトに
聞こえてしまうのが難です。



Freestyle"It's Automatic"(Music Specialists MSI 114)1986

freestyleits.jpg

"It's Automatic"は'86年にリリースされたフリースタイルの通算7枚めの
シングル。1年ほど前に"Don't Stop The Rock"を紹介した際には「詳しい
経歴等はわからず」と書いてしまいましたが、その後こちらを見つけたので、
この記事を元に経歴を書いてみます。

グループのオリジナル・メンバーは実はプロデューサーのプリティ・トニー
彼は'80年代初頭ごろは「スペース・ファンク・DJズ」というDJチームの一員として
活動し、フロリダ南部で人気を得ていました。同じころ、同地で洗車業を
営んでいたシャーマン・ニアリーは新たにレコード・ビジネスに参入することを
決め、最初に契約したのがプリティ・トニー。トニーは音作りのパートナーとして
カルヴィン・ミルズを起用し、二人が制作した曲は「フリースタイル・エクスプレス」
の名義で、新レーベル「ミュージック・スペシャリスツ」の第一弾としてリリース
されました。

このシングルの曲名は"Freestyle"だったのですが、レーベル面の表記が
紛らわしかったため、いつの間にか曲名とグループ名が逆転して「フリースタイル
というグループ」の"Freestyle Express"という曲、という認識が一般化してしまい、
トニー達も次作"Summer Delight"以降はグループ名を「フリースタイル」と
クレジットするようになります。

トニーとカルヴィンの二人による制作は通算5枚めの"Are You Lost?"までつづくの
ですが、その頃二人は仲違いして決別。いっぽう、バイロン・スミスやガーフィールド・
ベイカー達が同じ頃「フリースタイラーズ」という名義で活動していたのですが、
彼らはレコード契約を求めてシャーマンやトニーの居るミュージック・スペシャリスツの
オフィスを訪れます。

バイロン達の演奏を気に入ったトニーは彼らとの契約を決め、渡りに船と彼らを
改名させ、以降は彼らが「フリースタイル」として活動していくことになります。
バイロン&ガーフィールドはカルヴィンに代わってトニーの右腕となり、トリニアー等の
他のトニーの作品でも演奏やアレンジを手掛けるようになっていくのでした。

4人組になった「新」フリースタイルでの最初の作品が"Don't Stop~"になるわけですが、
今回の"It's Automatic"はそれに続くシングル。裏ジャケを見るとメンバー名が
"Don't~"の時とひとり違っていますが、作曲はメインの二人なので大差は無いと思われます。
プロデュース/アレンジ/エンジニアリング/ミックスはもちろんプリティ・トニーです。

TR-808とリン・ドラムを併用したドラムが緊迫感を煽るように早めのビートを刻み、
シンセが循環するフレーズを繰り返す中、ヴォコーダーが曲名を連呼し、ファズの
かかったシンセ・ベースが下品にうねります。ストリングス・シンセも加わった辺りで
男性が唄いだし、エレクトロ時代の「オートマティックな」ラヴ・ソングを綴って
いきます。短くドラム・ブレイクが入った後はまたヴォーカルに戻り、ヴォコーダー・
ヴォイスやピッチ変更の子供声ヴォーカルとハモりながら曲が進んでいきます。
ストリングス・シンセのソロが入った後、再びドラム・ブレイクが入り、さらに
シンセ類が全て抜けて突然TR-808のみのビートになり、その上をヴォコーダーが
唄う展開が一分ほど続きます。その後はシンセ類も戻り、アドリブでソロがいくつか
流れてフェイド・アウト。

ヴォコーダーも目立ってはいるのですが、プリティ・トニーの作にしてはヴォーカルが
前面に出た唄もの寄りの作風で、これはバイロンやガーフィールド達のカラーが
出ているのかなと思います。終盤のTR-808のブレイク部分をして「これがマイアミ産
エレクトロとマイアミ・ベースの分岐点」と指摘する声もあるようですが、ラップが
入っていないので個人的には今イチ同意しかねる感じでした。






プロフィール
クロい音楽全般が好きなのですが、 ここではエレクトロとオールド・スクールの アナログ盤に絞って紹介していきます。

KDMX

Author:KDMX

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