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Gorgeous George"Cabbage Patch Scratch"(April A-4001)1986

gorgeousgeorge.jpg

ゴージャス・ジョージは'70年代半ばからフィラデルフィアを
拠点に活動するプロデューサー/シンガーのバディ・ターナーの
変名プロジェクト。シンガーのクラレンス・リードが
ラッパーとしてはブロウフライと名乗って活動していたように、
若者向け(?)なヒップホップを演る時はヒップなキャラクターを
演じたい、ということだと思います。

バディは、'76年ごろにディスコ系グループのリッチー・ファミリーの
バック・ヴォーカリストとしてキャリアをスタート、その後は
エディ・ケンドリックス、ファースト・チョイス、ダブル・
エクスポージャー等につぎつぎと曲を提供し、フィラデルフィアの
ソウル・シーンでソングライターとして頭角を表します。
'80年代に入る頃には地元のフィリー・ワールド・レーベルを中心に
プロデュース業を開始し、キャプテン・スカイのシングルや
サーチのアルバム、Qのシングル"The Voice Of Q"等、後年に
ブギーの隠れ名盤と言われるようになる作品を発表します。

同じ頃バディはフィリー・ディヴォーションのリード・シンガー
だったマット・コヴィントン(Matt Covington)と共同で
エイプリル・レコーズを設立。当初はマットのソロ名義の
ソウル系作品をリリースしていましたが、時代の流れを
察したバディは'86年ごろからヒップホップ寄りにレーベル・
カラーを転換、第一弾として自身がラップに挑戦した今作を
発表することになります。

作曲/アレンジ/プロデュースはバディ自身。DMXのプログラミングは
レコーディング・エンジニアのジーン・レオーネなる白人男性が
手掛けています。

DMXがミディアム・テンポのファンク・ビートを刻み、そこに
スラップ・ベース、ファンキーなリズム・ギター、ホーン・
シンセが順に加わったところでバディのラップがスタート。
メリー・メル辺りを意識しているようですが、ちょっともっさりした
今イチ垢抜けないトーンです。サビでは女性コーラス隊が入って
きて、バディのラップとコール・アンド・レスポンスを行います。
その後短いパーカッションのソロが入ったり、低音の男声の
"Baby"という掛け声が入って変化を付けつつ曲は進み、後半に
バディが"Scratch!"と叫ぶとキーボードがスクラッチ音を模した
ブニュブニュというソロが繰り返し、その後はバディが
"Everybody Up!~Dance!"等とアドリブでラップして、女性コーラスの
コーダと共にフェイド・アウト。

ニセ・スクラッチのブニュブニュ音には腰くだけになりましたが、
それも含めて、この程度の(生音中心の)アレンジがR&B畑の人に
とってのヒップホップ解釈ということなんでしょう。
"Cabbage Patch"というのはダンスの名前のようですが、
もともとディスコからスタートしたバディにとっては
ヒップホップも流行りのダンス・ミュージックのひとつ、
ぐらいの認識だったのかもしれません。

下に挙げたCD、実は今回の曲は入っていないのですが、バディの
関連作をまとめて聴けるものがほぼこれ一枚しかないので
挙げてみました。終盤にエイプリル・レコーズから出た
もうちょっとマトモな(笑)ヒップホップ・ナンバーが数曲
入っています。






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Impact"Mr.Ed Raps"(Global G20-1001)1985

impact.jpg

インパクトは'80年代半ばにこのシングル1枚だけを残して消えた
ナゾのグループ。このレコード、Discogsにも登録されておらず、
経歴はおろかメンバーの名前すらわかりません。

2曲めの"Haunted Heart"が唄もの系の曲なので、最初は
ヴォーカル・グループのインパクトのことかと思っていました。
インパクトという名前のグループは、フィラデルフィアに
ひと組と、アル・ジョンソンが手掛けたワシントン・DCの
グループが居ましたが、音を聴いた感じではどうもこの二組
とも別人の模様。困ってレーベル上の人名を次々と検索して
みたのですが、引っかかったのはパブリッシャーとして
クレジットされているラリー・シェインのみで、しかも
ラリーはフランク・シナトラ(!)とかの関係者なのでした...
グローバルというレーベルもこのシングル1枚しか出していない
ようだし、けっきょくのところ実体は不明でした。誰かの
変名グループなのかもしれません。

曲名になっているミスター・エドというのは、'60年代に
アメリカで放映されていたコメディ・ドラマの主人公で、
人間の言葉をしゃべる馬のこと。'80年代半ばに再放送された
ようなので、それに合わせて作られた企画レコードという
ことなのかもしれません。作曲者のリヴィングストン&
エヴァンスというのも、この番組のテーマ曲を作った
ジェイ・リヴィングストンとレイ・エヴァンスのことだと
判明しました。

DMXがファンキーなビートを刻み、ディストーションのかかった
キーボードがギューンと鳴らされる上にダミ声の男性が
"Talks To Mr.Ed!"と連呼した後、別の男性がラップをスタート。
エレクトリック・ベースやホーン・シンセも加わる中、エコーの
かかったラップがユーモラスにエドの話を語っていきます。
間奏ではスネア連打や"Hip Hop Horse!"という掛け声が入って
アクセントを付け、その後ラップが戻ってきてキーボードの
ソロで終了。原曲のメロディはどこにあったのか全くわからない
エレクトロ・ファンクになっていました。

ところが2曲めのほうは冴えないボン・ジョヴィみたいな
ロック系の音で、かなりゲンナリします。やはり企画モノの
単発グループなのでしょうか。

B面は"Mr.Ed~"のロング・ヴァージョンになっていて、派手な
エディットも施されたインスト中心の内容。ちょっと
ロック・スクアドの"Facts Of Life"にも似ている感じなのですが、
けっこうカッコイイと思ってしまう自分が悔しいです(笑)。

youtubeにも音はないし、収録されているCDもなし。。。たまには
こういうトホホ盤も紹介させてくれ、ということでお許しください。


PS:あらためて検索したところ、「ビルボード」誌'85年の記事
彼らを写真付きで紹介しているものを発見。思い切りロック・バンド風情な
白人の方々でした...例のフレディ・フレッシュのラップ本にも
いちおう載っているレコードだし、エレクトロ認定してもいいかぁと
思ったんですが。。。

Glen Adams and D.J.Freeze"Chicken Scratch"(Capo 766)1983

glenadams.jpg

グレン・アダムスは'45年にジャマイカのキングストンで生まれた
キーボード奏者/プロデューサー。十代の頃には自らも歌手/作曲家
として活動し、彼の才能に目を付けたコクソン・ドッドにスカウト
されて、スカ全盛期のジャマイカでレコーディングを行うように
なります。流行がスカからロックステディに変わる頃には
ヘプトーンズやパイオニアーズ等の結成に関わり、'60年代後半
からはセッション・ミュージシャンとしてスリム・スミスや
レスター・スターリングのヒット曲のバックで演奏。同じ頃
リー・ペリーと知り合い、彼のグループ、アップセッターズに
参加することになります。

アップセッターズで"Return Of Django"等のヒットを出す一方で
彼らはウェイラーズのバック・バンドとしても活動し、グレンは
自作の"Mr.Brown"をウェイラーズに提供もしています。'72年ごろ
ウェイラーズはアイランドと契約してペリーの元を離れ、
アップセッターズの面々も単独での活動が多くなっていきます。
グレンはこの頃からジャマイカに加えてアメリカでも活動する
ようになり、'75年には自身のレーベル、カポを設立して拠点を
NYのブルックリンに移します。当初は同じレゲエ畑のブラッド・
オズボーンやロイド・バーンズの元でアレンジャー/キーボード
奏者として活動していたのですが、'70年代後半にはR&Bや
ヒップホップ系にも活動を広げるようになり、'81年には彼が
アレンジしたT-スキー・ヴァレイの"Catch The Beat"が
大ヒット、ブラッド・オズボーンのグランド・グルーヴ・
レーベルを中心に作曲やアレンジを多数手掛けることになります。

グランド・グルーヴは'83年にブラッド・オズボーンが射殺されて
活動停止してしまうのですが、残されたグレン達は拠点をカポ・
レーベルに移して活動をつづけ、今作のリリースに至るわけです。
なお、連名でクレジットされているDJ・フリーズは、他のレコード
での参加が見当たらないナゾの人物なのですが、この曲は
同じ'83年にムーングロウというレーベルからもリリースされて
いて(どちらが先に出たのかは不明)、そちらではミックスを
マーリー・マールとM2ことミスター・マジックが手掛けたと
クレジットされているので、DJ・フリーズ=マーリー・マール
ということで間違いないと思われます。この辺の人物の繋がりに
関してはジャスト・フォーのシングルを紹介した際にも書いたので、
そちらもご参照ください。

アクション映画のオープニングのようなブラス隊(元ネタは
アンクル・ルイの"I Like Funky Music")が一転して、DMXの
ドラム、手弾きのエレクトリック・ベースとギターがミディアム・
テンポのリズムを刻み、男女のコーラス隊が曲名を連呼して、
それに呼応するようにスクラッチがコスられます。その後は
スラップ・ベースや女性のラップ/コーラス、ストリングス・シンセ
等が短くソロを取り、合間にニワトリの鳴き声やスクラッチが
入って曲が進んでいきます。曲名通りスクラッチのグシャグシャ音が
目立ってはいるのですが、曲にあまりメリハリが無く、ディスコ系の
インストにただスクラッチを乗せただけのようにも聞こえて、
盛り上がりに欠けるままフェイド・アウト。

「ディスコ・ラップ」の音をドラムだけ打ち込みに変えて、
スクラッチ音を乗せて一丁あがり、な感じの曲でした。そう言えば
アップセッターズのヒット曲に同名の「チキン・スクラッチ」という
曲があるのですが、聴き比べてみてもギターのフレーズが似てるかな?
という程度でした。。。





Layizon"The Ride Inside"(Speed TR8)1988

layizon.jpg

レイゾンはサンフランシスコを拠点に現在まで活動を続ける
DJ/プロデューサーの白人キャメロン・ポールによるプロジェクト。
レイゾン名義ではこのシングル一枚しか発表していませんが、
本名では'80年代前半から多数のリミックスを手掛けています。

'70年代後半のディスコ・ミュージック全盛期にDJとしての
キャリアをスタートし、'83年にシスコのラジオ局KSOLで
独自のミックス・ショウを始めて名を上げ、その後レコードの
リミックスも手掛けるようになります。'86年に彼が
リミックスしたソルトゥン・ペパの"Push It"が大ヒット、
そのギャラで彼は自身のレーベルMixx-itを設立し、その後は
同レーベルから既存の曲のマスターミックス作品を次々と
リリースし、現在までに50タイトル以上が発表されました。

経歴からもわかるように、彼はヒップホップにどっぷり
浸ってきたというより、ディスコ/DJカルチャーから流れてきた
人で、自身の作品はテープ・エディットに重きを置いた
ラテン・ラスカルズ辺りに近い内容になっています。
こちらのHPでは、キャメロン自身がテープ・エディットの
やり方を実践しながら紹介しています。言葉の説明だけでは
わかりにくい部分が映像ではひと目でわかって興味深いです。

今回経歴を調べて初めて"Push It"のリミックスをやった人で
あることを知ったのですが、このシングルも"Push It"と
全く同じ「シュシュッ、シュッ」というパーカッションの
音からスタート。TR-808とプリンス風の「パコン!」という
スネア、シンコペイトするシンセ・ベースがリズムを刻んで、
シンフォニックなシンセがメインのメロディを奏でる中、
ホラー映画のナレイションのような気味の悪いトーンで
キャメロンが囁くように唄います。サビではヴォーカルや
ビートに細かくエディットが施されて痙攣するような
効果が続いた後、シンフォニックなシンセのソロに戻り
曲名を連呼するヴォーカルで終わります。

'88年と時代が下ったせいもあるのでしょうが、
LAを中心とした西海岸本来(?)のエレクトロとはかなり
違った作風です。他のエレクトロ曲とミックスする際に
アクセントとして使用するのにいいかも。

なお、以前紹介したムロ氏のミックス・テープでは、
この曲はB面の"The Beat Inside"のヴァージョンに
更に編集を加えて使っているようです。







プロフィール
クロい音楽全般が好きなのですが、 ここではエレクトロとオールド・スクールの アナログ盤に絞って紹介していきます。

KDMX

Author:KDMX

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