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Ervin German featuring Sexy Lady "Beef Box" (4-Sight 1-84-FS-1) 1984

ervingerman.jpg
"Beef Box"は'84年に発表された、MC・チーフことエルヴィン・ジャーマン
のデビュー曲。マイアミ・ベース・サウンドを広めることになる4サイト・
レーベルの第一弾リリースでもあります。ジャーマンの経歴は不明ですが、
当時マイアミでレコード・ショップを経営していたウィリアム"ビリー"
ハインズが、店に入り浸っていたジャーマンに目を留め、彼にラップを
させてレコードを制作することを提案したのがリリースのきっかけだった
とのこと。ハインズは4サイト・レーベルを設立し、プロデュースには
既にマイアミのミュージック・シーンで活動していたフランク・コーネリアスを
誘います。

コーネリアスは'70年代終わりに活動していたマイアミのソウル・グループ、
ナイトフライトのレコーディングに参加していたベーシスト。このシングル
からはエレクトロ/マイアミ・ベース系のレコーディングにも多く関わり、
MCシャイ-Dやジゴロ・トニー等をプロデュースしています。ソロとしても
プロフェッサー・ファンクやフランク・コーネリアス名義でエレクトロ作品を
発表しています。本来はベーシストですが、プロデュース作ではドラム・マシンや
シンセ類も演奏しているようです。

今作にはその他、セクシー・レイディなる謎の女性ラッパー(本名不明)と、
「エフェクツ・コーディネーター」としてウィリアムの息子エイドレイン・
ハインズが参加しています。エイドレインはこの後このレーベルからMC ADE
としてデビューする人です。

ストリングスがじんわりと広がり、DMXがアップ・テンポのビートを刻んで、
琴のような音色のシンセがリフを繰り返す中、スクラッチがシュワシュワと
コスられます。ピコピコ音のシンセが上モノとして加わると同時に男性の
ラップがスタート。やや滑舌の悪い声で早口のラップを聴かせます。サビでは
女性ラッパーに代わり、キメで当時の流行語"Where's The Beef?"を言うと
ガヤがオウム返しし、シンセとスクラッチが短いソロを取ります。その後は
エルヴィンがメインで喋りつつ、ところどころで女性に交代という流れが
繰り返され、ストリングス・シンセが長いソロを取った後ブレイクが入り、
シンセ・ベース~ドラムがソロを取ってフェイド・アウト。

クラフトワーク風のストリングス・シンセが入るのですが、むしろ
トワイライト22辺りから孫引きしてきたような感覚で、流行がひと廻り遅れた
マイアミの地域性を感じます。マイアミ・ベースぽさに関しては、まだ
バスドラの重低音は大して強調されておらず、エルヴィンの早口ぶりが
目立っている程度でした。

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Fast Lane "Young Ladies" (Straight Up S.U.I. 101) 1984

fastlane.jpg
ファスト・レーンはガス・ロドリゲス(Gus Rodriguez)とジェシー・ディアス
(Jesse Diaz)のMCのデュオ。この名義ではシングル一枚しかリリースしていない
のですが、今作以降はデビー・デブ等、マイアミ産のフリースタイル~ハウス系の
レコードに広く関わっています。

プロデュースはマイアミの重鎮プリティ・トニー。詳しい経歴は自己名義の
"Get Some"
の時に書いたので、そちらをご参照ください。バトラーはこれまでに
デビー・デブフリースタイル、そして自身のソロ作品をリリース済なのですが、
今作は彼のプロデュース作の中で初めてストレートにラッパーをフィーチュアした
曲として、エレクトロ好きの間でも特別視されています。

また、この曲はふたつのヴァージョンがあり、シンセのミックス具合によって
「ハード/ソフト」ヴァージョンと区別されています。評価が高いのは「ソフト・
ヴァージョン」のほうですが、そちらはプレス枚数が少なく、コレクターズ・
アイテム化しています。私が持っているのは残念ながら「ハード・ヴァージョン」
のほうです。

プリティ・トニー独特の硬いTR-808のビートがスタートし、ファズのかかった
ギターのような音色のシンセが2小節のリフを繰り返します。シンセ・ベースも
ユニゾンで同じフレーズを弾く中、二人の男性がユニゾンでラップをスタート。
ラップと"Ladies,Young Ladiesx2,Drive Me Crazy"と荒々しく唄うパートが
交互に登場して曲が進んでいきます。ところどころで爆発音のSEが入ったり、
ラップにディレイがかかったりしつつ、後半にはジェシー、ガスの順に短く
ソロでラップするパートが入って終わります。

サビらしいサビもなく、イントロから聞こえるリフがえんえん繰り返されて
そのバリエイションで聴かせてしまう作風はトニーのこれまでの作品と同じ。
今作のポイントはやはりそこにちゃんとした(?)ラップがのっている点で、
一気にメリハリがついたように聴こえます。おそらくトニー版ラン-DMCみたいな
ノリを狙って作られたのではないでしょうか。


"ハード"ヴァージョン


"ソフト"ヴァージョン




D.E.F. featuring D.J. Three D "D.E.F. Momentum" (Rapsur RP 10010) 1985

defmomentum.jpg
D.E.F.は「デジタル・エレクトロニック・ファンク・バンド」の略。
この名義ではこのシングル一枚しかリリースしていません。メンバーは
ルイス"スリー・D"キング、ジャジー・J.R.ジャクソン、セドリック
"チル・C"スコットの3名。スリー・Dはアンノウン・DJと何度かコラボ
しているDJです。残り二人がMCと思われますが、他に参加作品が
見つからず、経歴等はわかりません。

プロデュースもメンバー自身が行っていますが、バックの演奏を担当
したのはダニエル・ソファー。アンノウン・DJ"808 Beats"の際に
一度紹介していますが、今回はもう少し詳しく紹介してみます。

ダニエルは白人のキーボード奏者。9歳の頃にドラムを始め、高校では
複数のバンドで演奏していたとのこと。その後ウォルター・カーロスの
シンセ・レコード「スイッチト・オン・バッハ」を聴いて衝撃を受け、
カレッジでは電子音楽のクラスに入学します。また西海岸でのムーグ・
シンセのディストリビューターだったポール・ビーバーに師事して、
当時は高価だったシンセ類にも触れることが出来、よりその手の音に
のめり込むようになっていったとのこと。

当時のダニエルが影響を受けたのはロバート・アシュレイやテリー・
ライリー等の現代音楽や、クラフトワーク、タンジェリン・ドリーム、
クラウス・シュルツェといったジャーマン系のシンセ音楽で、自身の
初レコーディングもその手の音楽だったそう。ムーグとマルチ・レコーダー
を駆使して全ての演奏/録音を一人で行い、完成した曲は当時盛んだった
レーザーライト・ショウの音楽に採用されたそうです。その後は自身の
グループLEMを結成して活動を行ういっぽう、電子音楽の研究者として
オーバーハイム社に雇われ、同社の製品のOB-8やDMXのマニュアルを
執筆したり、DMX用のドラム音源の録音なども行っています。

オーバーハイム社で勤務してデモを行ったり、マニュアルの制作や
サポート業務を行ううちに、LAの「エレクトロ・シーン」で活動する
DJたちとの繋がりも生まれ、アイス・Tの'83年作"The Coldest Rap"に
キーボード奏者として参加。翌年にはアンノウンDJ、レッキン・クルー
等の作品にも関わり、自身の初のソロ名義によるエレクトロ作品
"One Hundred Speakers"も発表しています。

そうしてエレクトロのミュージシャンたちの間でも知られるように
なって、'85年にボビー・ジミーのラプサー・レコーズからの依頼で
参加したのが今作。ダニエルのインタビューによると、D.E.F.のメンバーは
ターンテーブルとMCのみしか扱うことが出来なかったので、彼が
その他の演奏全てをオーヴァーダブして作られたそうです。

ドスの効いた男性の声で"Def Momentum!"と曲名が告げられ、その後
オーケストラ・ヒットとDMXがアップ・テンポのビートをスタート。
スクラッチがシュワシュワと鳴り、ヴォコーダーが唄います。シンセ・
ベースとカリブ風の明るいリフを奏でるエレピが加わり、女性のサンプル・
ヴォイスがスクラッチ風に細切れに入れ込まれます。その後男性二人の
掛け合いラップがスタートし、サビでは妙に明るくコーラスを唄います。
その後は女性の「ハー・ハー」という喘ぎ声やドラム・ブレイクを挟みつつ、
シンセやエレピのソロを中心に曲がすすみ、終盤はヴォコーダーやスクラッチ
も戻ってきて、ラッパー達の軽いアドリブで終了。

西海岸のエレクトロには珍しい、エレピの明るいリフが印象的。作曲の
クレジットには入っていないけれど、これはダニエルのアイディアによる
のではないでしょうか。ライヴのオープニングに演奏されると映えそう
です。





The Invinceables "Bet It Up" (Success SU 410) 1984

invinceables.jpg
ジ・インヴィンシーブルスはマイアミ出身のマイケル・スターリングによる
プロジェクト。マイケルは十代の頃にラテン・ポップス系のレイ・フェルナンデス
なるシンガーのベーシストとしてキャリアをスタートし、その後友人たちと
プラティナム・フックを結成します。インディのスペクター・レコーズから
'81年に発表されたアルバムからはシングル"Dance"がヒットするのですが、
グループはそのアルバムのみで解散し、マイケルはソロでの活動を開始
します。自身のレーベル、サクセスを設立してマイケル名義では唄もの
ソウルの曲を発表するいっぽうで、エレクトロ/ヒップホップにアプローチ
する際に名乗っていたのがインヴィンシーブルスです。

演奏/プロデュース/ミックス全てマイケル自身が行っています。作曲と
アレンジにクレジットされているマイケル・ロビンソンは誰だか不明
なのですが、他のレコードでの参加が全く確認出来ないので、スターリングの
変名なのかもしれません。

DMXがアップ・テンポのビートを軽快に刻み、シンセ・ベース/ホーン・シンセ/
ピアノがシンプルなリフを繰り返す中、男性がラップをスタート。オーバーに
アクセントを付けながら、(一人多重録音で)ラン-DMCを意識したような
掛け合いラップを聴かせて曲が進んでいきます。サビでは曲名を唄うコーラス
が入り、ムーグ・シンセがアクセントを付けます。その後転調が入り、
リズム・ギターのソロとコーラス隊を中心にしたR&B寄りの展開になるのですが、
すぐにまたラップが戻ってきます。その後はシンセ・ベースのソロが入りつつ
ここまでの流れが繰り返されて終わります。

メロディアスな展開、あまりうまくないラップ等、本来はソウル畑の人が
作ってみたエレクトロであることが良くわかる作り。既に経験を積んでいる
人なので、アレンジや楽器の音色等は完成度高いです。実はエレクトロ好きの
間では、この前のシングル"Kong In The City Of Doom"のほうが人気が高い
のですが、ユーモラスな"Kong In~"よりも、曲として整っているこちらの
方が私は好きなのでした。

この後のマイケルは、レゲエ・グループのインナー・サークルに短期間加入した
後、2ライヴ・クルーのルーク・レコーズの専属エンジニアとして雇われ、
マイアミ・ベース・サウンドを影から支えていきました。

P.C.Crew "Dougee Fresh Vs. The Beat Box" (Factory Beat FBR 317) 1985

pccrew.jpg
P.C.クルーはプーチー・コステラ(Poochie Costela)とビリー・ニコルズを中心としたグループ。
グループ名からしてプーチーがメインのメンバーと思われますが、彼についてはこの名義の
2枚のシングルしか参加作が見当たらず、詳しい経歴はわかりません。

ビリーはビギャン・ビギャンの際にいちど紹介していますが、'40年生まれで'60年代前半から
プロとして活動しているベテラン・ギタリスト/プロデューサー。初期はモータウンのツアー・
バンドのメンバーとして活動し、その後ビリー・スチュワート、ガルト・マクダーモット、
ミリー・ジャクソン等様々なミュージシャンのバックメンを経験して、'74年ごろB.T.エクスプレスに
加入します。グループのメンバーとして活動しながら、外部への曲の提供やセッション・ワークも
つづけ、グループを脱退した'80年ごろからはソウル/ディスコ系のプロデューサーとしての活動が
メインになっていきます。ヒップホップ系の作品も'80年にジミー・スパイサーのデビュー曲
"Adventures Of Super Rhyme"をはじめとして多数手掛けています。エレクトロを集める前は
彼の名を気に留めたこともなかったのですが、'80年代前半の大量のプロデュース作品を見るにつけ、
彼も初期のヒップホップを支えた影の立役者だなあと思うようになりました。

"Dougee Fresh VS. The Beat Box"は'85年にリリースされたグループの2枚めのシングル。
プロデュースはビリー、作曲には曲によってプーチーやジェイムズ・マイナー(カウント・
クールアウトのメンバー)も参加しています。タイトル曲はダギー・フレッシュが主役なのですが、
彼は曲名以外のクレジットが全く無く、この頃の参加作に良い印象を持っていない一因に
なっている気がします。

"Dougee~"はライブ仕立ての曲で、歓声の中ダギーがカウントとヒューマン・ビート・ボックスを
始め、その後ドラム・マシン、ピアノ、シンセ、ギター、エレクトリック・ベースに
パーカッションも加わった豪華な(?)演奏がアイザック・ヘイズの"Ike's Mood"をベースにした
フレーズを繰り返す中、ダグが軽快にラップとビートボクシングを聴かせます。

エレクトロとして評価したいのはB面の"Space Invadas"のほう。軍隊のラッパを模した
シンセに、宇宙からの侵略者への警戒を呼び掛けるナレイションが被さり、その後ミディアム・
テンポの打ち込みビートの中、シンセがユーモラスなリフを繰り返して曲が進んでいきます。
その後宇宙人たちとの交渉の模様が寸劇風に語られ、交渉は決裂して宇宙戦争が始まって
ゲームのSEのようなピコピコ音が何度も炸裂。サビでは「スター・ウォーズ」を意識した
ようなシンフォニックなシンセが勇壮なソロを聴かせます。戦争と言ってもシリアスな感じは
全くなく、能天気なSFアクションのようなノヴェルティ・タッチの曲です。

裏表でまるで別のグループのように路線が違うのですが、これが長いキャリアを持つビリー
ならではの引出しの多さなのでしょう。"Space~"の安っぽいSFサウンドは正統派のエレクトロと
比べると黒さに欠けるのですが、このいかがわしさがなんとも言えない味になっていて、
つい聴いてしまいます。

youtubeの音は埋め込み不可のものしか見つからなかったのでこちらからご覧ください。

Dougy Fresh "The Original Human Beat Box" (Vintertainment VTIS 004) 1984

dougyfresh.jpg
ダギー・フレッシュ(ダグ・E・フレッシュ)は本名をダグラス・E・デイヴィスと言い、
'66年にカリブ海のバルバドスで生まれています。子供の頃に家族と共にNYに移り、
その後、弟が買ってきたグランドマスター・フラッシュやDJハリウッドのテープを
聴いてヒップホップに興味を持つようになります。さらに、近所を散歩している時に
とある地下室から気になる音楽が聴こえてくるのを耳にして思わず覗き込むと、そこには
2台のターンテーブルを操る男の姿が。直感的に「これが俺の音楽だ」と悟った彼は、
知り合いでもないのにその部屋に入っていき、マイクを取ってライムを口ずさんで
いたそう。初めてなのにライミングが出来ることにダグは自分でも驚き、その時から
音楽と詩作に真剣に取り組むようになっていったそうです。

学校ではラングストン・ヒューズの詩を学び、また音楽の授業でトランペットと
パーカッションをマスター。地元の「ハーレム・ワールド」や「セレブリティ・
クラブ」といったクラブにも出入りするようになり、ダグは二人のいとこと共に
コールド・キャッシュ・クルーと名乗って活動をはじめます。その後、相棒となる
バリー・Bとも出会うのですが、同じ頃にダグの名を一躍広めることになる必殺技-
ヒューマン・ビート・ボックス-を発明します。口と舌と手、そしてマイクを使って
ビートを刻むこのテクニックは今では広く知られていますが、最初に始めたのは
ダグなのでした(ビズ・マーキーが先だという説もありますが)。

その後スプーニー・ジー&DJスパイヴィとブッダ・ブレス・クルーの名義で初の
レコーディングを経験。さらにPC・クルー(次回紹介します)のシングルでも
パフォーマンスを披露します。この頃の作品ではダグはろくにギャラを貰えなかった
そうで、あまりいい印象を持っていないようですが、初めて自身の名義で録音
したのがヴィンターテインメント・レーベルからの今回のシングルです。

このレーベルは既にB-ボーイズチャック・チルアウト関連の作品で紹介して
いますが、オーナー兼プロデューサーのヴィンセント・デイヴィスの会社。
バックの演奏はB-ボーイズの"Stick Up Kid"同様、ヴィンセントとガイ・ヴォーン
によるグループ、VHBが手掛けています。

リン・ドラムのビートがスタートすると同時にダグの喋りも入り、聴衆を煽ったり、
ヒューマン・ビート・ボックス(以下HBB)を早くも披露したりします。マリンバ風の
シンセがリフを重ね、小節の頭にシンセ・ベースが「ジョーン」と鳴らされるインストが
4小節つづいた後に本格的にダグのラップがスタート。サビでは楽器類が抜けて、
HBBがソロ(?)で派手に鳴り響きます。その後はインスト/ラップ/HBBの流れが2回
繰り返されますが、中盤からハード・ロック風のギターが加わり、ダグのラップや
HBBと競うように鳴らされた後、ギターがループするようなフレーズを弾くソロで
終わります。

おそらくラン-DMCを意識したものと思われるギターは少々うるさいですが、殆ど
ビートのみに絞ったトラックはエレクトロより後の世代を意識させます。HBBも
もちろんカッコいいですが、ダグのラッパーとしてのスキルも見事。子供のころに
オールドスクールのラッパーたちを聴いて育った人が、自らもレコーディングを
始めるようになったのがこの時期なのだろうと思われます。

Love Bug Starski "Do The Right Thing" (Fever SF 801) 1984

lovebugstarskidotheright.jpg
"Do The Right Thing"は'84年にリリースされた、ラヴバッグ・スタースキーの
通算3枚めになるシングル。彼の経歴に関しては前作の"You've Gotta Believe"
際に書いたのでそちらを参照してください。

作曲/プロデュースも前作同様カーティス・ブロウ。共同プロデュースのダニー・
ハリスは当時のブロウ関連の作品によく参加していたギタリストです。B面の曲が
前のシングル"Live At The Disco Fever"のパートIIになっているので、好評
だった前作と同じ路線でもう1枚、という流れで作られたものと思われます。

コンガがラテン・リズムを刻み、DMXがミディアム・テンポのビートを鳴らします。
太いシンセ・ベース、2小節のリフを繰り返すエレピも加わった後、スタースキーの
ラップがスタート。DJハリウッド~カーティス・ブロウ直系のアクセントを付ける
スタイルで、健全明朗な内容の詞を語ります。サビでは女性コーラスが曲名を唄い、
それにスタースキーがスキャットや唄で返すのも前作と同様です。その後重低音化した
ドラム・ブレイクが入り、その後はここまでの繰り返しになりますが、終盤に
パーカッションやシンセ類のソロがあり、スタースキーがアドリブで唄って終了に
なります。

先に書いたとおり、前作と同じ路線でもう1枚行ってみた、という感じのポップな
曲です。打ち込みドラムの音色には、ファット・ボーイズ等の当時のブロウの関連作
に通ずるものを感じます。この人独特の声が上ずるようなトーンが、マチョイズムを
良しとするヒップホップの世界ではマイナスになるだろうなあとは思うのですが、
ディスコ・ラップの流れを引き継いだ作品としては評価したいです。

Dynamic Breakers "Dynamic(Total Control)" (Sunnyview SUN 419) 1984

dynamicbreakers.jpg
ダイナミック・ブレイカーズは'80年代に活動していたブレイクダンスの古参
グループ。現在は消滅してしまったようですが、全盛期はロック・ステディ・
クルー
のライバルとして高い人気を誇っていました。

もともとはクイーンズの同じ高校の体操部の仲間だったエアボーン、
スパイダー、カノ、フリップの4名がダイナミック・ロッカーズの名で活動を
開始し、徐々にメンバーが増えていくうちにグループ内のスピンオフとして
先の4名がダイナミック・ブレイカーズを名乗るようになります。
クラブ等でパフォーマンスを行って話題を集め、"That's Incredible"
なるテレビ番組に出演したことで全国的に名を知られるようになります。
さらに「エクスターミネーター」や「ラスト・ドラゴン」等の映画にも出演し、
ロック・ステディ・クルーと人気を二分するグループに成長。この頃、
とあるTV番組のタレント・コンテストで優勝した彼らは、その副賞として
映画「ビート・ストリート」にも出演する権利を得たのですが、ギャラの問題で
マネジメントと映画のプロデューサーの間で揉めたため、その話は流れて
しまったそうです。

そんな人気絶頂のころ、サニービュー・レコードからのオファーで彼らは
シングルも2枚録音しています。デビュー曲の"Dynamic"は、もともとメンバーたちの
同級生だったトータル・コントロールという3人組のヒップホップ・グループとの
共演作としてレコーディングされましたが、リリース前にトータル~は別の
レコード会社との契約の関係で彼らの名義では発表出来ないことが発覚。
けっきょくダイナミック~の単独名義で発表し、ギャラは均等に分配することで
決着したそうです。実際には、バックの演奏はニュークリアスのコズモ・Dが担当し、
ラップの殆どはトータル~の面々が行って、知名度の高かったダイナミック~の人気に
あやかった作品なんだそうですが...

そんなわけで、今作のプロデュースはニュークリアスと同じフランク・フェア&
ジョー・ウェッブのコンビ。ミックスをジョナサン・フィアリングが担当している
のもこのレーベルでは恒例です。

薄くストリングス・シンセが鳴る中"Dynamic!"とヴォコーダーが入り、TR-808が
ミディアム・テンポのビートを刻みはじめます。シンセ・ベースがボブ・ジェームスの
"Nautilus"から引用したフレーズを繰り返す中、MCがトータル~の紹介をはじめます。
いったんTR-808のビートのみに抜けたところでトータル~の二人の掛け合いラップが
スタート。彼らがメインで曲はすすみ、ヴォコーダーが鳴るサビの後、ブレイカーズの
面々がユニゾンで素人ぽいラップを聴かせます。その後は掛け合いラップに戻り、
ピコピコ音のシンセや女性ヴォーカルも加わって徐々に盛り上がっていきます。
その後はブレイカーズの面々による短いソロ・パートが挟まれ、シンセやヴォコーダーの
ソロで終わります。

コズモ・Dが作っているので、トラックの感触、曲の構成は殆どニュークリアスと
同じ。トータル~の二人もそれなりにうまいです。ダイナミック~のラップに関しては
やはりもうひとつかな。ロック・ステディ・クルー同様、ダンサーとしては一流でも
ミュージシャンとしてはそれほどても無かった、という予想通りの結果でした。

Drum "Bite-It" (Jamar JM 822) 1984

drum.jpg
ドラムはNY在住の黒人シンガー/ラッパーのギレスピー・ケリーを中心
とした4人組。グループとしても、メンバー単独でもこの1枚以外に
参加作品が見つからず、詳しい経歴はわかりません。アフリカンを
意識した今作のコンセプトやジャケットから見るに、その手の
パフォーマンスをNYで行っていた人たちなのだろうとは思いますが。
詞にはスワヒリ語のラップが含まれており、ジャケ裏にはメスフィンなる
アフリカ人がギレスピーに教示したもの、と記されています。

プロデュースはキース・ルブランとハロルド・サージャント。キースに
関してはマルコム・Xの"No Sell Out"の際に書いたのでそちらを参照して
ほしいのですが、シュガーヒル・レコードを離れ、徐々にプロデューサー
としての仕事が増えてきた頃の作品です。ハロルドは、キースがシュガーヒル
に雇われる前に所属していたウッド・ブラス&スティールというグループで
キースが加わる以前にドラムを担当していた人物。ハロルドの弟と思しき
シルヴァー・サージャントなるキーボード奏者が今作に参加しているところ
からして、ハロルドが持ち込んだ企画なのかもしれません。その他にも、
ベースのダグ・ウィンビッシュ、ギターのスキップ・マクドナルド、
キーボードのロビー・キルゴアといったキース関連作の常連ミュージシャンが
参加。ミックスのトム・ロード-アルジはオウサム・フォーサムの項
登場したクリス・ロード-アルジの弟です。

スタートと同時に"Listen To This!x3"という男性のラップと、DMX&シモンズ
によるドラム・ビートがドシバシと鳴り響きます。ラップは基本的には英語で、
強くアクセントを付けるスタイルにはメリー・メルの影響を感じます。
デジタル・シンセが親指ピアノ風のリフを入れだすとラップはスワヒリ語に変わり、
ギターやエレクトリック・ベース、ホーン・シンセ等も加わって徐々に
音が厚くなっていき、サビでは"Fresh,So So Fresh"と繰り返しラップ。
その後はギターやシンセ類のソロをはさみつつ、英語のラップがメインで曲は
すすみ、ラップが抜けた終盤にテンポが緩まって、ちょっとアフリカぽい
複合リズムに変化して終わります。

ジャケットのイメージからするともっとドロドロのアフロ色濃い曲を想像しますが、
実際の音は当時のキース作品らしい早いビートのエレクトリック・ファンクに
気持ちアフリカ臭を感じるラップが乗っている程度。ギターやキーボードの
キメのフレーズにはフュージョンぽい感覚も強いです。メロディアスな要素を
おさえて、リズム主体に構成したアレンジはグループ名に準じている感じも
しますが、アフリカ色を強めるパーカッションでも入っていればもっと面白く
なったのに...と思ってしまいます。

Kold Krew "Don't Let 'Em Drop The Bomb" (Time Trax TT 003) 1984

koldkrew.jpg
コールド・クルーはこのシングル一枚のみを残して消えた謎のグループ。
レーベルのタイム・トラックスは以前紹介したシナジー"Project 5"
出していたところですが、こちらも覆面グループ的なプロジェクトなので、
よけいわかりにくい(笑)です。

共同プロデュースのルレイ・ラフィンはシナジーの際にもふれたように、
MCチルやセクシャル・ハラスメント等にも関わっている人。作曲者の
ひとりキャメロン・マレイはソウル・ジャズ系のピーシズ・オブ・ア・
ドリームのアルバムにも関わっているのですが、それ以上の詳しい経歴は
不明です。このシングルのオリジナル・プレスのジャケットには歌詞が
記されており、その内容はレーガン大統領によるレバノン派兵問題を
扱ったもので、そんな社会的なトピックをテーマにするのはどんな
ミュージシャンなんだろうと思うのですが...

DMXが軽快なビートを刻み、ファンキーなシンセ・ベースに、シンセが
哀感を帯びたリフを重ねます。ちょっとハスキーな男性がラップを
スタート。メッセージ色濃い歌詞を早口で語ります。サビでは爆発音の
ようなSEにシンフォニックなシンセのソロが絡み、曲名を連呼する
コーラスが続きます。その後はラッパーが代わり、掛け合いを繰り返し
ながら盛り上げていきます。中盤でドラム・ブレイクが入り、シンセが
長いソロを取った後はラッパー/ヴォーカリストたちがアドリブで唄って、
ふたたび爆発音が全てを消すように鳴って終わります。

マイナーのインディ作品にしては、ドラムやシンセ類の音処理がよく
こなれており、けっこうカッコイイ。曲はポップで黒さを押さえた
トラックに、あとからラッパーを乗せたような感じです。


The Beast From The East "Call The Law" (Beast BR 101) 1986

callthelaw.jpg
ザ・ビースト・フロム・ザ・イーストはサム・ザ・ビーストこと
サミュエル・T・クラークによるプロジェクト。詳しい経歴は不明ですが、
自身のレーベル、ビースト・レコーズを中心に'80年代半ばから'90年代後半
までに10数枚のシングル/アルバムをリリースしています。

サムと共同でアレンジ/プロデュースを手掛けているのはパトリック・アダムス。
彼は'60年代から現在までNYを拠点に活動するベテラン・プロデューサー/
ソングライター。ディスコ/ソウル系を中心に膨大な数の作品を手掛けており、
ユニヴァーサル・ロボット・バンド(アリームの項に登場したリロイ・バージェスの
グループ)、イナー・ライフ、レインボー・ブラウン等のレコードはガラージ・
クラシックとして認識されています。ヒップホップのレコードとも関わりがあり、
エリック・B.&ラキムのファーストではエンジニアリングを担当していたり、
スーパー・コパーの項で少し触れたP&Pは彼がピーター・ブラウンと共同で設立
したレーベルでした(検索してみたら、当ブログにも4回名前が出てきてました)。
NYのダンス・ミュージック・シーンを支えた影の立役者とでも言えばいいでしょうか。

"Call The Law"はビースト・レコーズの第一弾リリースで、サミュエルのデビュー・
シングル。特にクレジットはありませんが、演奏はパトリックとサミュエルの二人が
全て行っているものと思われます。

オーケストラ・ヒットにつづいてハンマー・ビートが鳴り響き、(警官に扮した)
ナレーターが語りを入れて、サンプラーを中心とした複数のキーボード類がSEを
入れたり、ユーモラスなリフを奏でます。P-ファンク風の男女コーラスが曲名を
唄いこんだ後、サムのラップがスタート。あまりうまくないカーティス・ブロウと
いった感じで、'86年作にしてはやや古めかしいスタイルです。サビでは先の男女
コーラスが再び登場します。その後はここまでの展開が繰り返され、ブレイクでは
ハンマー・ビートとオケ・ヒットが連打され、終盤は(ドイツ語風?の発音の)警官と
サムとの寸劇で終了。

ちょっと大袈裟なトーンから、この人は役者か芸人がレコードも出してみた、みたいな
タイプかなとも思わせます。サンプリングを多用したR&B寄りのメロディアスな
トラックは、同時期のデューク・ブーティブギー・ボーイズ辺りに近いですが、
全体に音がチープで、エンジニアリングにもうひと工夫欲しい感じでした。

X-25 Band "Black Hole Bop" (HCRC 4W9 03074) 1982

x25band.jpg
X-25・バンドはベーシストのジミ・キナード(Jimi Kinnard)による
プロジェクト。詳しい経歴は不明ですが、このシングルがデビュー曲
であることからして、ヒューストンの出身と思われます。レーベルの
HCRCは'81年にジャズ・サックス奏者のオリヴァー・セインのシングルを
リリースすることから始まったレーベル。その後はマーギー・ジョセフや
ウィリアム・ディヴォーン等のソウル系のレコードをリリースしています。

このシングルは'82年のリリースで、作曲/プロデュースはジミ自身。
特にクレジットされていないのですが、演奏/ヴォーカル等も全て彼が
ひとりで行っているものと思われます。

宇宙船が飛び立つようなシンセのSEにチープなリズム・ボックスが絡み、
ヴォコーダーがグループ名を告げて、エレクトリック・ベースがベキベキと
鳴らされます。つづいてクラフトワーク「ナンバーズ」風にTR-808が
ビートを刻みだし、ディレイのかかったスラップ・ベースにヴォコーダーが
絡んでメロディを唄いはじめます。オルガン風/ピコピコ音/ブニューッと
うねる音等、複数のシンセ類が合いの手を入れて曲はすすみ、サビでは
YMO「テクノポリス」風にヴォコーダーが唄います。その後はここまでの流れが
繰り返され、終盤にはエレクトリック・ベースやムーグ・シンセのソロも
入って、インスト中心のまま終わります。

ややチープではありますが、'82年の時点にテキサスでこれだけの音を作っていた
というのはなかなかのもの。エレクトリック・ベースがリードを取り、他の
楽器類は卓録風なのは同時期のタイロン・ブランソンレジー・グリフィン
作品を連想させます。B面の"Jam It"はザップ/ロジャーも思わせるもっと
ストレートなエレクトリック・ファンクで、やはりR&B畑の人の作だと認識
させます。ジミはこの後メンフィスに移住したようで、アレン・ジョーンズ
絡みのクウィック(Kwick)やバー・ケイズ等のレコーディングに参加していました。


M.Brathwaite/W.Carter"Father Goose(The Ball Of Oz...)" (We-Four WF 2210) 1980

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"Father Goose"はNYのダンス・ミュージック・シーンで'70年代から
活動するミッチ・ブラスウェイトとウォルター・カーターによる
シングル。ミッチは'70年代末にスタジオ・ミュージシャンとして
キャリアをスタートし、'80年にマイス・マイケルズ(Myth Micheals)
なるディスコ系のグループの一員としてデビュー。その後は
グレッグ・カーマイケル~パトリック・アダムス周辺の作品に多く
関わっています。

ウォルター・カーターは'73年にリップルのパーカッショニスト/
ヴォーカリストとしてレコード・デビュー。リップルはデビュー当時は
ヘヴィなファンク・サウンドで売っていましたが、'70年代後半には
ディスコ寄りに音楽性を変え、サルソウル・レーベルに入社して"The
Beat Goes On And On"等のヒットを飛ばしました。ソングライターとしても
ジェイムズ&ボビー・ピューリファイやDr.フック(!)等に曲を提供して
います。

この二人がどうやって知り合い、今作のコラボに至ったかの経緯は不明
ですが、どちらも同じNYのダンス・ミュージック・シーンで活動するもの
同士、近いサークルに属していたのでしょう。先に挙げたマイス・マイケルズ
をリリースしたウイ・フォー・レコーズから'80年に発表されたのが今回の
シングル。年代からもおわかりと思いますが今作はエレクトロではなく、
生演奏による典型的なディスコ・ラップです。ウイ・フォーはこの2枚の
シングルしか確認されていないレーベルですが、(ジミー・スパイサー
デビュー曲等を出していた)ダズ・レーベルの傘下の会社のもよう。

ファンキーなリズム・ギターにディスコ・ビートを強調するドラムと
ハンド・クラップが絡み、黒く弾むエレクトリック・ベースにホイッスルや
シン・ドラムがアクセントを加えます。ガヤも終始聴こえる中オジサンぽく
年季の入った男性がラップをスタート。俺の喋りでみんな踊れ、という
詞の内容や語尾を上げる抑揚の付け方がいかにもオールド・スクール。
サビで裏声の「ウーッウーッ」というコーラスが入り、ディスコぽさを
印象付けます。その後は詞の内容が「オズの魔法使い」に絡めたものに
変わりつつよとみなくラップがつづき、終盤は「ウーッウーッ」コーラスや
ベース、リズム・ギターのソロがガヤの中展開されてフェイド・アウト。

メインの二人の経歴からもわかるように、ディスコ・ミュージックを
演っている人がラップにも挑戦してみた、という感じで、ラッパー
の技量にやはり差を感じます。

Pee Wee Mel "Badd(You Got It)" (Star's CR 01) 1984

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ピー・ウィー・メルことメルヴィン・アンダーソンは'80年ごろから活動する
DJ兼MC。ハーレムで生まれ育った彼は、十代の頃はギャングやキングピン
(ドラッグ・ディーラー)たちと共に過ごしていたそうで、そんなところから
リアルな話を語ることが出来るんだ、とご自身のMySpaceで語っています。

'80年には仲間のT.J.スワンのシングル"Maximus Party"にゲスト参加する形で
レコード・デビュー。翌年にはその二人にバリー・Bも加わって"Are You Ready"
を、さらに初めて自身がメインを取ったシングル"Life On Planet Earth"も
リリース。しばらく間を置いて'84年に発表されたのが今回の"Badd(You Got It)"
です。

プロデュースは"Maximus~"や"Are You Ready"をリリースしていたエクスプレス・
レコードのオーナーと思われるC.スミスなる人物。もう一人作曲者に名がある
D.ハリスもエクスプレス時代からのスタッフと思われますが詳細は不明です。
今作のレーベルのスターズというところもこのシングル一枚しか確認出来て
おらず、リリース直後に消滅してしまったようです。

JBのライブ盤からサンプルした"Are You Ready For Some Super Dynamite Soul!"の
MCからはじまり、ミディアム・テンポのビートを刻むリズム・ボックス、JBの
"Get Up,Get Into It,Get Involved"からフレーズを引用したシンセ・ベースに
曲名を連呼するコーラスが加わったところでメルのラップがスタート。鼻に
かかった声で自分がいかに優れたMCかを語ります。(これもJBの"Revolution Of
The Mind"を使用したと思われる)ブラス隊が合いの手のようにスクラッチされ、
サビではメルが"Chi-Bonx4 I'm Chillin'"とスキャット風に唄います。
のらりくらりとした調子でメルのラップはつづき、ライブの歓声やイントロの
MCボイスも何度か繰り返された後、終盤にはディレイのかかったドラム・ブレイクが
入り、ウケまくるメルのライヴを疑似再現したような雰囲気で終わります。

どこかノヴェルティ・タッチで、「芸能」を感じさせる曲。こちらのほうが先なの
ですが、ユーモラスな鼻声はスリック・リックを連想させます。

DST "Crazy Cuts" (Island 96972) 1983

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"Crazy Cuts"は'83年にリリースされた、DSTのセカンド・シングル。今回は
ジャケ表にわざわざ但し書きがあるように、スクラッチを前面に出した作り
になっています。おそらく、"Rockit"のヒットで時の人状態になっていた彼を
もっと見せようという意図があったのでしょう。前作はインフィニティ・
ラッパーズとの共演名義だったのに、今作以降はDSTのソロになっています。

作曲はDST自身、アレンジ&プロデュースはマテリアルで、バックの演奏には
ビル・ラズウェル&マイケル・ベインホーンのほかに、バーナード・
ファウラー(ヴォーカル)、ニッキー・スコペリティス(ギター)、ダニエル・
ポンセ(パーカッション)、ホーン・セクションにチョップスといった、
マテリアル関連の常連組が参加しています。DSTはターンテーブルのほかに、
ヴォコーダーやムーグ、DMXのプログラミング等も担当。

ホラー映画風のストリングスをバックに、低音の男声のナレイションが
はじまり、ブロンクスで夜な夜なスクラッチの新しい型を作ろうと奮闘する
DSTの話を語ります。左チャンネルからシックの「グッド・タイムス」を
スクラッチする音も聴こえるなと思うと、"Rockit"そっくりなDMXのビート、
エレクトリック・ベース、パーカッションが入ってきて、それをバックに
DSTがリズミックにスクラッチをキメます。更にチョップスのホーンが
歯切れよくリフを繰り返し、バーナードが"Crazy~"とコーラスを入れます。
ベースがリードを取って、スクラッチが合いの手を入れるようにコスられる
展開も"Rockit"と同じ。サビでは左右の両チャンネルで別々にスクラッチが
鳴っています。その後はここまでの繰り返しになりますが、終盤にドラム・
ブレイクからヴォコーダー/パーカッション/ジミヘン風のギターが順にソロを
取り、その後ヴォーカル&スクラッチに戻って終わります。

ちょっと急ごしらえすぎかなあ、とも思える作り。DMX以外はエレクトロ度も
低く、生演奏中心でループ感に欠けるところも気になります。スクラッチを
ヒップホップの一要素と言うより、あたらしいソロ楽器のひとつとして
考えてしまったのでしょう。




Afrika Bambaataa & Soul Sonic Force "Renegades Of Funk" (Tommy Boy TB 839) 1983

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"Renegades Of Funk"は'83年にリリースされた、ソウルソニック・フォース
名義では3枚めになるシングル。プロデュースは引き続きアーサー・ベイカー
ジョン・ロビーです。レンガを突き破って現れるメンバーのイラストレイションが
目を曳きますが、手掛けたボブ・キャンプはマーヴェル・コミックス周辺で
活躍したプロの漫画家。ニュークリアスのアルバム・ジャケットも彼の作品
でした。

「プラネット・ロック」"Looking For A Perfect Beat"の2作でエレクトロを
一般化させたバムたちの新たな主張は、ファンクを通じたアフロ・アメリカンの
意識変革でした。

テンプテイションズの"Message From A Black Man"を引用したバムの唄いだしから
はじまり、すぐに重低音を強調したTR-808がヘヴィなビートを刻みます。リズミックな
ストリングス・シンセが合いの手を入れ、ソウルソニック~の面々が掛け合いラップを
スタート。詞の内容は歴史上の変革者(キング牧師やマルコム・Xに加え、インディアンの
戦士のチーフ・シッティング・ブルや作家のトマス・ペインも出てきます)を挙げ、
自分たちはその流れを汲んで音楽による変革を行うんだ、と表明するもの。サビでは
チープなシンセが緊張感を煽るようにソロを取ります。中盤からは「コンフュージョン」
でも聴けた不協和音のピアノ、サイケなアクセントを加えるピコピコ・シンセ、バムの
ヴォコーダー・ヴォイスも加わってユニゾン・ラップと共に盛り上がっていき、2回目の
サビでは(レゲエを意識した?)半音ズレたようなコーラスが響きます。ドラム・ブレイクが
入った後はシンセ類が抜け、アドリブでのラップや曲名を連呼するコーラス等ヴォーカル
中心になり、メンバーのガヤで終了します。

A-2の"Renegades Chant"は、同じドラム・ビートのみをバックにして、バムが
アフリカの音楽を意識した「イヤヤヤ・オーオー(何語なのか不明・・・)」のような
チャントや、ディキシー・カップスの「アイコ・アイコ」を口ずさむ曲。こんな引用が
出来るのは当時彼だけでした。

この曲は、リアルタイム当時からお気に入りでした。エレクトロだけでなくファンクの
正統的な後継者を主張している部分が、ファンク命!だった当時の私の琴線に触れたんだと
思います。ズドンと腹に響くドラム・ビートも強烈で、ベイカーの音作りがこの頃から
だんだんラウドな方向に行った気がします。







Flash And The Furious Five/Afrika Bambaataa,Afrika Islam And Jazzy Jay "Flash It To The Beat/Fusion Beats Vol.2" (Bozo Meko No Number) 1980

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ボゾ・ミコはこの"Flash It~"をはじめとして、非正規の音源ばかりを
リリースしている謎のレーベル。'80年にこのシングルを出して消滅した
と思われていたのが'00年代に突如復活し、BDPの"The Bridge Is Over"や
テイク6の"Spread Love(Remix)"等をリリースしています。"Flash It~"に
限って言うなら当初はレーベルに番号すら載っておらず、レーベルの
住所や連絡先もわかりません。

ほぼブートと言ってもいいレコードなわけですが、このシングルは両面とも
このレコードでしか聴けないオールド・スクール期の貴重な音源を収録した
ものとして、(オリジナルの水色レーベル盤は)コレクターから珍重される
ものになっています。ただし、両面ともカセット・テープで収録したものと
言われており、音質は劣悪です。グランドマスター・フラッシュも
インタビューで「あれは誰かが勝手にパーティの模様を録音して出したんだ」と
言っていました。おなじみフレディ・フレッシュの「The Rap Records」
よると、ブロンクスのリヴァー・コミュニティ・センターで収録されたもの
とのこと。

A面はフラッシュ&ザ・フューリアス・ファイヴの"Flash It To The Beat"。
後に声ねたとして多用される"ワン、トゥー、1,2,3,4"のカウントにつづいて
フューリアス・ファイヴの集団ラップがスタート。同時につぶれた音色の
リズム・ボックスが「ボッ、ボッ」とビートを刻みます。他の楽器やスクラッチ等は
入らず、ビートのみをバックにメンバーが集団/ソロでのラップとコーラスで
曲を進めていきます。合間にヒューマン・ビート・ボックスや「シャナナ~」等と
ルーティンを挟みつつ、ハモったりコール&レスポンスでグイグイ盛り上げていき、
終盤2分ほどはリズム・ボックスのビートが早くなって、メンバーの喋りも
それに伴って早まって終わります。

B面の"Fusion Beats Vol.2"は、レーベルには記されていないのですが、アフリカ・
バンバータ
ジャズィ・ジェイアフリカ・イスラムの3人のDJによるブレイク・
ミックスが収められています。カセット・デッキのポーズ・ボタンを使用して
曲のスタート/ストップが行われているようですが、前半はジェイムズ・ブラウンの
"Get Up,Get Into It,Get Involved"のイントロと間奏部分がモホークスの
"The Champ"を間に挟んで何度もミックスされ、終盤には一転してダイク&ザ・
ブレイザーズの"Let A Woman Be A Woman - Let A Man Be A Man"のドラム・
ブレイクが繰り返されてフェイド・アウト。

楽曲云々ではなく、オールド・スクール期のパーティの模様を伝える記録として
貴重な1枚。特にフューリアス・ファイヴのライヴでの唄のパートの多さ、意外に
唄える部分に驚きました。





Pumpkin "King Of The Beat" (Profile PRO 7038) 1983

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"King Of The Beat"は'83年にリリースされた、パンプキンのソロ名義では
初のシングル。彼の経歴は"Here Comes That Beat!"の際に書いたので
そちらを参照してほしいのですが、ソロ作はこれが初でも、それ以前に
エンジョイ・レーベルでのセッション・ワークやトラックの制作は大量に
手掛けており、もともとはドラマーだったものの、プロデューサー的な
資質は十分にあったようです。

エンジョイでは実質自分が作った曲も多かったのに、契約の関係でクレジットは
エンジョイのオーナーのボビー・ロビンソンに取られ、レーベルに不信感を
抱くようになったパンブキンは'83年ごろからはプロファイルやタフ・シティに
活動の場を移すようになります。プロファイルでは同レーベルの看板アーティスト
であるDr.ジキル&Mr.ハイドやディスコ・フォーの作品をまず手掛け、実力を
アピールした後に(?)発表したのが今作です。

そんな訳で今作のプロデュースは当然パンプキン本人。作曲&アレンジも彼で、
スクラッチをジョージ"ギャラクシー"ライアドが担当している以外は、演奏も
パンブキンの一人多重録音によるもの。

ニュース番組のジングルのようなハモンド風のシンセが鳴り響き、メタリックな
音色に加工されたドラム・マシンがミディアム・テンポのファンキーなビートを
刻みます。ヴォーカルは要所要所で"Pump-Pump-Pumpkin""I'm King Of The Beat!"と
掛け声が入るのみで、基本的にはインストです。スクラッチ音がリズミックに
グシャグシャとコスられるものと、ストリングスのようにゆっくりと針音を拾う
ものの2種が使い分けられているのも気になります。

殆ど展開らしい展開もなく、MCも無しでループ感とスクラッチのカッコ良さだけで
聴かせてしまう曲。'80年から現場で演奏をつづけ、ヒップホップのビート感を
知り尽くした男だからこその音だと思います。




The B Boys "Stick Up Kid/Girls" (Vintertainment VTIS 005) 1985

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"Stick Up Kid"は'85年にリリースされた、B-ボーイズの通算5枚めのシングル。
彼らの経歴はこちらこちらを参照してほしいのですが、このシングルが出た
'85年ごろには、DJのチャック・チルアウトが脱退して代わりにDJ・マスター・Tが
加入し、ドナルド-Dとブラザー-Bとの3人編成になっていました。

プロデュースはデビュー以来変わらずのヴィンターテインメント・レーベルの
オーナー、ヴィンセント・デイヴィス。バックの演奏を担当しているVHBは
前年にベートーヴェンの「運命」のエレクトロ版を出しているグループ
ですが、これはヴィンセントと、同レーベルの常連だったプログラマーの
ガイ・ヴォーンの二人のことと思われます。

"Stick Up~"のほうは、メリー・メルの"White Lines"のようなベース・シークエンスに
DMXのドラムが絡み、ホーン・シンセが加わったところでドナルド・Dが
ラップをスタート。ドナルドがソロで喋りつつ、小節の終わりでブラザー・Bと
ホーン・シンセが合いの手を入れるかたちで曲が進んでいきます。サビでは
"Stick Up Kid!"と二人のラッパーがハモり、シンフォニックなシンセがソロを
取ります。その後はここまでの流れの繰り返しになり、終盤にわずかに
シンセとギターのソロが入って、曲名コーラスの連呼でコーダとなります。

"Girls"はヘヴィな打ち込みのドラム・ビート、小節の頭に一音だけ入る
ホーン・シンセ、二人の男性が交代でラップするスタイル等、ラン-DMCの
"Hard Times"を明らかに意識して作られた曲。サビでヴォコーダーが曲名を
唄うのと、バー・ケイズの"Holy Ghost"風のシンセがミューンと唸る部分は
違いますが、ラッパーの迫力に欠けるこちらは今イチ頼りない感じです。

チャックが抜けたせいで、スクラッチ~ブレイク・ミックス的な面白味が
無くなり、ずいぶんフツーのグループになってしまった印象です。当たりさわりの
無い打ち込みのトラック、個性に乏しいドナルドのラップ...ということで
彼らはこの後にもう一枚シングルを出して解散してしまうのでした。




Newcleus "Computer Age(Push The Button)" (Sunnyview SUN 416) 1984

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"Computer Age"は'84年にリリースされたニュークリアスの3枚めのシングル。
レーベルのサニービューはエクストラ・Tズの際に紹介したヘンリー・ストーンの
会社です。グループの経歴に関しては前作"Jam On It"の際に紹介したので、
そちらをご参照ください。

作曲はリーダーのベン"コズモ-D"シナック、プロデュースはフランク・フェア&
ジョー・ウェッブ、ミックスがキャロル・ダグラスやイヴリン・キング等
ディスコ系の作品を多く手がけているジョナサン・フレミングが担当、という
のも前作と同様です。

TR-808がアップ・テンポのビートを刻む上にディレイのかかったシンセのリフが
乗り、更にストリングス・シンセが加わります。"Push The Button"の掛け声と
同時にシンセ・ベースが入ってきて、ヴォコーダーがYMOの「テクノポリス」風に
絡んだ後、低音の男声(チリー・B)がコンピューターの時代をクールに語って
曲が進んでいきます。サビで再びヴォコーダーが唄った後、エフェクトのかかった
ドラムがブレイクを入れ、電子音がピュンピュンと挿入され、感情を抑えた女性の
ナレイションがSF映画風に入ります。その後はスペイシーなシンセのソロが長く
つづき、ヴォコーダーとも絡みながらゆるやかにフェイド・アウトしていきます。

前2曲では、ピッチを変えたチップマンクス風のヴォーカルを強調したノベルティ・
タッチの作風だったのですが、今回はストレートにエレクトロを追及した比較的
シリアスな作品と言っていいでしょうか。コンピューター・エイジを標榜しても
あくまで健全で前向きなスタンスなところが彼ららしいです。





Awesome Foursome "Funky Breakdown" (Partytime PT 107) 1984

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"Funky Breakdown"は'84年にリリースされた、オウサム・フォーサムの2枚めの
シングル。デビュー曲の"Funky Soul Makossa"はナイロビにゲスト参加している
かたちだったので、単独名義ではこれがデビュー曲になります。経歴に関しては
不明のままなのですが...

レーベルはアーサー・ベイカーの所有するパーティタイムで、プロデュースや
アレンジも当然彼です。相方のジョン・ロビーは不参加で、トラックの演奏と
エンジニアリングを担当しているのはクリス・ロード-アルジ。彼は'70年代
後半にH&Lレーベルのエンジニアとしてキャリアをスタートし、'83年ごろから
ヒップホップ/エレクトロ関連の作品に多く関わるようになっています。
エンジニアとしての仕事がメインですが、'80年代後半以降はリミキサーとしても
多くの曲を手掛けています。以前紹介したベイカーのインタビューによると、
クリスは元ドラマーで、生の演奏と打ち込みのビートを融合させるのに秀でて
いるとのこと。今作では打ち込み中心の音作りで、その辺のリズム感の良さに
関してはあまりよくわかりません。

ニュー・オーダー"Confusion"に似たアップ・テンポのTR-808のビートからスタートし、
すぐにラテン・パーカッションと"Alright,Everybody Ready?""Yeah!"という
サンプリング・ヴォイスがグルグル廻った後、オウサム~の面々が掛け合い
ラップをスタート。ファンキーなベースもウネります。リズミックなホーン・
シンセにユニゾン・ラップを絡めるアレンジは"Funky Soul Makossa"そっくり
だな、と思っていると、メインのラップ・パートは「プラネット・ロック」似の
MCポッピン・スタイル。サビでは"We Are Awesome"と繰り返します。中盤に
ギターや人声のサンプルを連打するユーモラスなソロやスクラッチが入り、
その後はシンセが「スパイ大作戦」のフレーズを引用したりする遊びを入れつつ、
メンバーのラップがユル目に展開していきます。

トラックやアレンジはベイカーのこれまでの作品をいろいろと応用/編集した
ような感じ。オウサム~のラップは悪くはないのですが、今イチ覇気に欠ける
感じで、オウサムでもファンキーでもない(笑)です。ベイカーもお疲れ気味
だったのかなあ...





Mixmaster Gee and The Turntable Orchestra "The Manipulator" (MCA MCA 23631) 1986

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"The Manipulator"は'86年にリリースされた、ミックスマスター・ジーこと
グレッグ"スキー"ローヤルの2枚めのシングル。グレッグの経歴に関しては
デビュー曲の"Like This"の際に書いたので、そちらをご参照ください。

作曲/プロデュースは今作でもグレッグ自身。エンジニアのロス・ヴァネリは
ジノ・ヴァネリの弟ですが、特に音楽的な繋がりがあっての参加というわけでは
ないと思われます。

リン・ドラムのビートにチャイムの音がキンコンとハイハットのように絡み、
太いシンセ・ベースとストリングス・シンセをバックに男性のラップが
スタート。LLクールJに似た声質で、いかしたレコードを見つけたDJの話を
語ります。サビで"I Am the Manipulator,M-A-N-I-P-U-Lator!"と繰り返す
くだりが印象的。ブリッジでデビュー曲と同様に女性の"Like This!"と
掛け声が入り、呼び込まれたように激しくスクラッチが入ります。
その後はここまでの流れが2回繰り返され、終盤にシンセ類のソロ・パートが
入って、爆発音のSEプラス赤ちゃんの語りで終わります。

前作の時に、この人はDJやMCからミュージシャンになったのではなく、エンジニア
が長じて自分の作品を発表するようになったのではないか、と書きましたが、
今作でもその印象は変わらず、どこかR&B系ぽい打ち込みのトラックにラップと
スクラッチを乗せた感じに聴こえます。ジャケットに描かれているように、
この曲はスクラッチの部分でつぎつぎと曲が変わっていくのがミソなのですが、
実際に何台ものターンテーブルを操っているわけではなく、グシャグシャいう
スクラッチの「ノイズ」部分と、様々なブレイクねた(アート・オブ・ノイズ、
デニス・コフィ、ラン-DMC、ゴジラの咆哮など...)を別録りした上で、ミキシング
時に卓で合体させたように聴こえます。まあタイトルが「マニピュレイター」
なので先に種明かししているようなものですが。それが悪いわけではないんですが、
ヒップホップの美学に反するように思えて、歯切れが悪くなってしまうんですね...


Shango "Shango Message" (Celluloid CEL 164) 1983

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シャンゴはアフリカ・バンバータ(以下バム)がセルロイド・レーベルで行っていた
プロジェクトのひとつ。もうひとつのタイム・ゾーンが比較的アヴァンギャルドな
作風だったのに対し、シャンゴはソウル/ファンクの基本に忠実な、オーソドックスな
音楽をやるグループという印象があります。セルロイドの公式サイトでの説明では、
"The meaning, tradition and practice of funk, as interpreted by Afrika
Bambaataa and Material. Three dance-hit singles, horns, and Bernard Fowler.
Definitive."となっていて、(曲によってですが)生のホーンズや(ラッパーでなく)
ヴォーカリストをフィーチャーしているのも特徴的です。

「プラネット・ロック」でブレイクしたいっぽうで、バムはズールー・ネイションを
率いるブラック・カルチャーの啓蒙者でもあり、DJとしてはファンク~レア・グルーヴ
も知り尽くしたマエストロでもある人なので、そんなアフロ・アメリカンとしての
主張を盛り込むのがシャンゴなのでしょう。アルバムのタイトルも「シャンゴ・
ファンク・セオロジー」でした。"Shango"とは、ヨルバ語で「雷鳴の神」の意だ
そうです。

"Shango Message"は'83年にリリースされた、シャンゴ名義では2枚めになるシングル。
ヴォーカルにはマックス・ウェルズとバーナード・ファウラー(NYC・ピーチ・
ボーイズ
にも参加していたマテリアル関連の常連シンガー)が参加。バックの演奏は
マテリアルの二人が担当しています。バムは作曲とプロデュースのみで、直接の
演奏には参加していないようです。

爆発音のSEと共にシンセがリフを弾き、DMXがたたみかけるようなビートを刻みます。
"Everybody Go Ahead! Funk With The Best!"というコーラスにつづいて男性が
唄いだし、ラテン・リズムのエレクトリック・ベースとパーカッションが加わります。
リード・ヴォーカルの後を追うようにヴォコーダーがメロディを奏で、サビでは
シンセがシンフォニックなソロを。中盤でブレイクが入り、ヴォコーダーが
"Who Are You? Shango!"と繰り返した後、ヴォーカルとヴォコーダーが掛け合って
盛り上がっていきます。その後はパーカッシヴなシンセのソロやダビーなエフェクトが
入りつつ、シンフォニックなシンセがメインでソロを取って終わります。

ラップは無しでヴォーカルは終始メロディを唄いこんでおり、ヴォコーダーも彩りを
添える程度の使われ方なので、やはりオーソドックスなエレクトリック・ファンク
という印象です。意外とこの辺がバムのルーツなのかもしれません。






The Knights Of The Turntables "Fresh Mess" (JDC JDC 0041) 1984

knightsoftheturntables02.jpg
"Fresh Mess"は'84年にリリースされたナイツ・オブ・ザ・ターンテーブルスの
2枚めのシングル。経歴はデビュー曲の"Techno Scratch"の際に紹介しましたので、
そちらを参照してほしいのですが、今作ではマッドミキサー・RMGが抜けて、
カーティス"C-ブリーズ"ハーヴェイ、リル・ロッキン・Gことジェラルド・バートン
の二人組になったようです。

今作ではG.ブリットという謎のヴォーカリストと、フローズン・フューという
グループのメンバーだったクーリィ・D&スノウマン(おそらくどちらもDJ)の二人を
ゲストに迎えています。プロデュースはメンバーのC-ブリーズが担当。

"Fresh Mess"は、シャカシャカとリズミックにスクラッチされる音からはじまり、
その後パーラメントの"Get Off Your Ass & Jam"のコーラスがワン・フレーズだけ入り、
つづいてファンキーなシンセ・ベースとTR-808の早めのビートがはじまります。
↑のシンプルなトラックがずうっと流れる上を、今度は"Get Off Your~"のイントロの
ギター部分や、同じ曲の"Jam!"のコーラスが繰り返しスクラッチされていたかと
思うと、中盤で突然ベース音がセンターに定位し、ピコピコのシンセがシンプルな
メロディを繰り返す中を、今度は男性の"Do Nothing(原曲不明)"という語り部分が
執拗にスクラッチされます。

A-2の"Dub"は、TR-808のビートは"Fresh Ness"と同じようですが、シンセ・ベースの
フレーズは違い、ストリングス・シンセも加わる等ほとんど別の曲と言ってもいい
ような内容。"Techno Scratch"でも聴けたウッドペッカーの笑い声や、SFぽいSE等
スクラッチのネタも多彩で面白いです。

B面の"We Are The Knights"は彼ら唯一のヴォーカル(ヴォコーダーですが)&ラップ入り
の曲。TR-808のビートからはじまり、シンセ・ベースとヴォコーダーがキンクス(!)の
"All Day And All Of The Night"から引用したメロディを唄います。つづいて男性が
ラップを始め、スクラッチが合いの手を入れます。サビではシンセが寝ぼけたような
ソロを取ったり、男性が「ウー! アー!」と唸ったりするのですが、彼らのウリである
スクラッチが前面に出ない曲調だと、あまりにもチープなトラックが目立ってパッとしない
印象です。

けっきょく彼らはこの2枚のみで'86年には解散。その後は、今作のゲストのスノウマンが
'88年に出したシングルに、リル・ロッキン・Gがゲスト参加しているのが確認出来る
程度でした。









Unknown D.J. "Breakdown" (Techno Kut TK 1201) 1988

unknowndjbreak.jpg
"Breakdown"は'88年にリリースされた、アンノウン・DJの通算4枚めのシングル。
経歴等は"808 Beats"を書いた時に詳しく書いたので、そちらをご参照ください。
前作まではアンドレ(アンノウン~の本名)が所有するテクノ・ホップ・レーベル
からのリリースだったのですが、今作からはアンドレとグランドマスター・ロンゾが
共同で設立したテクノ・カット・レコーズからのリリースになっています。

プロデューサーとしてクレジットされているビッグ・ビート・プロダクションズは
アンドレと彼の弟子筋のダリル・デイヴィスのこと。ジャケットのイラストを
描いているのもダリルで、彼は他にもレッキン・クルーの"Surgery"のジャケットを
手掛ける等、イラストレイターとしても人気だった(?)ようです。ゲストとして
ジャネットなる女性シンガーが参加しています。

一拍目からタテのりのドラム・マシンがテンション高くビートを刻み、ジャネットが
"Dance Your Ass Off!"とセクシーに煽ります。TR-808とメタリックな音色のシンセが
各々4小節のソロを取った後、シンセ・ベースが加わり、"West Coast! East Coast!"の
掛け声が繰り返され、シンセがアラビックなメロディを弾いて進んでいきます。
その後はジャネットが気怠くラップしたり、リンゴをかじる音がサンプリングで入れ
込まれたり、ハンド・クラップ連打したり等でアクセントを付け、アンドレの
せわしないスクラッチが入って終わります。

副題に「ダンスでパンツを脱げ!!」と付いているように、今作はアップテンポで
ノリノリな曲調を狙ったのでしょうが、どこか大ざっぱでリズムのキレが悪く、
粗雑で男臭い力技のダンス・ナンバーに聴こえます。カウボーイがDJしている
ジャケットはカッコイイんですけどね...






The Egyptian Lover "Freak-A-Holic" (Egyptian Empire DMSR00774) 1987

egyptianloverfreak02.jpg
"Freak-A-Holic"は'87年にリリースされた、エジプシャン・ラヴァーの通算6枚めの
シングル。詳しい経歴はデビュー曲の"Egypt,Egypt"の際に書きましたので、そちらを
ご参照下さい。

この曲はセカンド・アルバム"One Track Mind"からの2枚めのシングル・カット。
毎度のことなのですが、作曲/アレンジ/プロデュース/演奏の全てをE・ラヴァーが
ひとりで行っています。

ゲイト・リヴァーヴのかかったリン・ドラムがアップ・テンポのビートを刻み、
"1,2,3,4, Freak This!"の掛け声と共にシンセ・ベースがグリグリとウネり、
ホーン・シンセが合いの手を入れます。その後E・ラヴァーがちょっと優男風に唄い
だします。ふだんならラップしているところですが、今作は下手ながらちゃんと
メロディを唄っていて、完全にR&B/ポップス系の作風です。詞は毎度のように
エロ中毒な男の独白といった感じですが(笑)。

インタビューで彼はクラフトワークと並んでプリンスからも大きな影響を受けたと
語っているのですが、今作はそのプリンス一派、特にジャム&ルイスがプロデュース
したジャネット・ジャクソンの「コントロール」のアルバムの影響がモロな作風で、
ドラムやシンセ類の派手な音色、アクセントに使われたチャイムのような音が
そっくりです。

そんなわけで、この曲はエレクトロ好きからは極めて評判が悪く、私もジャケットの
エロお洒落なロゴに惹かれて買ってしまったようなものなのですが、そんな旧来の
ファンの溜飲を下げるために(?)収録されているのがB-2の"Livin' On The Nile"の
エクステンデッド・リミックス。ウィルスデン・ドジャース"122 BPM"タイプのリズム・
トラックにシンセ類や喘ぎ声が被さるインストのエレクトロで、こちらは「エレクトロの
ミックスを作る時にピッタリなメロディアスな曲」と絶賛されているのでした。








Duke Bootee "Broadway" (Beauty and The Beat BAB 108) 1986

dukebootielabel.jpg
デューク・ブーティは'80年代前半~半ばごろに活躍していたプロデューサー/ラッパー。
主な経歴はワード・オブ・マウスZ-3・MCズのところで紹介してしまったのでそちらを
参照してほしいのですが、その時書き忘れた部分を付け足すと、本名はエドワード・G・
フレッチャーと言い、出身はニュー・ジャージー。芸名はマーク・サダーン(ワーナーから
2枚のアルバムを出していたソウル・シンガー)のレコーディングに参加した際に、マークから
つけられたあだ名を元にしたそうです。想像通り尻好きであることは間違いない
ようです(笑)。

"Broadway"は'86年に自身のレーベル、ビューティ&ザ・ビートからリリースされたソロ・
シングル。ブーティはダイク&ザ・ブレイザーズ(リッチ・ケイソンが関わっていた'60~
'70年代のソウル・シンガー)の"Funky Broadway"が長年のお気に入りで、その曲を
モチーフにして作ってみたそう。エディット担当のジョージ・タシロはこの頃の
シュガーヒル関係者のレコーディングによく参加している日系アメリカ人ですが、
今年リリースされた安室奈美恵のアルバムにも曲を提供していたのにはたまげました。

イントロからハンマー・ビートがガリガリとリズムを刻み、サンプルした"Broadway"の
掛け声が入った後、ブーティがラップと唄の中間のようなトーンで唄い出します。
サンプルしたホーンやヒューマン・ビート・ボックスが合いの手を入れつつ曲は進み、
ブレイク部分ではドラム・ビートにドリルの破砕音のような「ジー」というSEが入り
ます。その後はここまでの繰り返しですが、中盤以降はエディットが派手になり、
スクラッチやスラップ・ベースも加わって曲に変化を付けています。

ミディアム・テンポのユル目の展開、ブーティ自身はラッパーとしては強い個性がある
タイプではないこともあって、比較的ノンビリしたタイプの曲です。それでも、
サンプリングを最大限に使ったノイジーな音作りは印象が強く、行き詰っていた
エレクトロ界(?)に一矢を報いた功績は大きいと思います。



当時のMACの粗いドットのイラストを使ったジャケットが好きで、これをブログの
背景に使いたいと前から思っているのですが、未だかなわず...

dukebootiejkt.jpg


Imperial Brothers "Live It Up" (Cutting CR 204) 1985

imperialbros02.jpg

"Live It Up"は'85年にリリースされた、インペリアル・ブラザーズの2枚めのシングル。
"We Come To Rock"を紹介した際に「MCたちの名前以外のことは不明」等と書いてしまいましたが、
その後Electro Empire内の記事に簡単なインタビューを見つけることが出来たので、こちらを
元に経歴を書いてみます。

メンバーは全員ブロンクス出身で、各々の名前はMr.アイス、マーク・スキーakaエル・ドン、
OG・ロック、マスター・ライムズ、ミーン・ジーンakaチェッダの5人。プロデューサーの
ハシムとは子供の頃からの知り合いだが、現在は仲違いしてしまっている。当時ライヴで
共演したのはコールドクラッシュ・ブラザーズ、フォース・M.D.ズ、クール・モー・ディー、
ダギー・フレッシュ等。デビュー時は「エレクトロ」のグループとみなされていたが、自分
たちはハードコアなMCであり、ヒップホップ寄りな"Live It Up"こそが本来のスタイルで
あること...等々。受け答えが短いのでブツ切りなことしか書けず、また答えたマーク・スキー
の思い込みで多少脚色されているようにも思いますが、いかにもブロンクスのオールド・
スクーラーという感じはします。

今作もプロデュースはアルド・マリン(カッティングのオーナー)と、ハシムことジェリー・
キャリステ・Jr
.。トラックの大半はハシムが作っているものと思われますが、メンバーの
ミーン・ジーンがパーカッションを叩き、ゲスト・ヴォーカリストとしてジョイス・
シンプソンなる女性シンガーが参加しています。

ゲート・リヴァーヴのかかったTR-808のビートに多重録音された女性のコーラスが絡み、
低いところで唸り続けるシンセ・ベースが加わったところで、男性MC(マーク・スキー?)が
テンション高くラップをスタート。サビでは複数のMCがユニゾンでラップします。
あまり抑揚をつけずに早口でまくしたてるスタイルがレゲエDJみたいだな、と思っていると、
突然キンキンと響くエレピのソロやギター風のシンセ、女性のヴォイス・サンプル等が
リズミックに鳴らされ、その後は再び男性MCのソロへ。パーカッションも加わり、次の
サビでは"We've Got Live It Up!"と連呼され、さらにシンセ・ベース、エレピ、カリンバ風の
シンセのソロがつづきます。

上記インタビューでハードなライミング云々と強調している割にはラップの比重はデビュー曲と
あまり変わらず、つぎつぎとキーボード類のソロが繰り出されるハシム独特の音作りが展開
されています。B面のダブのほうがむしろMCのパートが長く、後半はビートが流れていく上を
ダラダラとアドリブで掛け合っていて、メンバー達はこういう音をもっと追究したかったのだろう
と思います。



"Dub It Up"

Master O.C. & Krazy Eddie feat. Peso & Tito of The Fearless Four,& Main Attraction "Masters Of The Scratch" (Next Plateau NP 50023) 1984

masterocandkrazieeddie.jpg
"Masters Of The Scratch"はフィアレス・フォーのDJふたり、マスター・O.C.と
クレイジー・エディを中心に、フィアレス~からグレート・ペソ、
ディヴァステイティング・ティトの二人のMCを、そして女性MCのメイン・
アトラクションをゲストに迎えたシングル。フィアレス~の経歴に関しては
こちらこちらを参照して欲しいのですが、'84年というとエレクトラとの契約も
切られ、グループも半ば解散に近い状態になっていたようです。既に
ファンタジー・スリーのシングルで外部プロデュースの経験もあるOCが
音頭を取って制作されたのでしょう。

プロデュースはOCと、フレッシュ・3・MCズの項に登場したデイヴ・オグリンが
担当。ミックスはオグリンとクレイジー・エディです。OCとクレイジー・エディが
トラックとスクラッチを担当し、そこにゲストMC陣がヴォーカルをのせる形で
制作されたものと思われます。

リン・ドラムが軽快なビートを刻み、シンセがリズミックなテーマを弾いた後、
女性の"Scratch!"という掛け声に導かれてスクラッチが登場。その後ユーモラスな
リフを繰り返すエレピをバックに、新聞の売り子を模したナレイションが呼び込みの
声をあげ、女性がテンション高くラップを開始します。サビではエレピとスクラッチが
コール・アンド・レスポンスのように押し引きし、その後ペソ&ティトの二人の男性が
掛け合いでラップを聴かせます。その後はエレピ&スクラッチ~男性の掛け合い~女性MCソロ
が順列組合せでつづき、間奏部では"Cut It! Cut It!""Scratch It! Scratch It!"の
声に導かれて主役の二人がグリグリとスクラッチを披露。コスリねたはデイヴ&
アンセル・コリンズの"Double Barrell"等の声ネタや電話のベル等のSEが中心で、
この部分がこの曲のいちばんの見せ場です。終盤にドラム・ブレイクやシンセ&エレピの
ソロが短く入ってフェイド・アウト。

グループ時代からそういう志向がありましたが、メロディアスでヒップホップとR&Bの
中間のような曲。打ち込みも使っていますが、キーボード類の手弾き感も強調されて
いてエレクトロ度は低めです。




Rock Squad "Facts Of Life" (Tommy Boy TB 855) 1985

rocksquad.jpg
ロック・スクアドは'80年代半ばに2枚のシングルを残した4人組。メンバーは
グルーヴィ・グルーヴ、ジェリー・ジェイ、スミッティ・Dの3人のMCに、
DJ・イーズィ・Pです。イーズィ・Pはこの後EPMDを結成するパリッシュ・スミス
その人。3人のMCの経歴に関しては詳しいことは不明です...裏ジャケの
メンバー写真にはパリッシュだけ写っていないので、この頃から問題を
起こしやすい(?)タイプだったのかもしれません。

"Facts Of Life"は'85年にリリースされたデビュー・シングル。プロデュースは
ラテン・ラスカルズの二人で、バック・ヴォーカルにはこの後L・ラスカルズの
プロデュースでデビューするフリースタイル系のグループ、TKAが参加しています。
その他にもアンディ・ウォレスやアラン・マイヤーソン等メジャー畑で活躍する
エンジニアが6名もクレジットされていて、(L・ラスカルズのコネだとは思いますが)
無名の新人のデビュー作にしてはやけに力の入ったプロダクションだと思います。

ラテン・リズムのリフを繰り返すキーボードに口笛のような音が絡んできたかと
思うと、「ズドーン」というハンマー・ビートが打ち鳴らされ、太いシンセ・ベースも
加わります。ヴォイス・サンプルがホーン代わりに弾かれて、場面転換のように
スクラッチ音が入ったところで男性がラップを開始。ディレイのかかったシンセが
緊張感を煽るように後を追い、サビではTKAが曲名を唄います。その後はラッパーが
交代してサビではコーラスというパターンが繰り返され、間奏部とアウトロでは
複数のシンセがソロを取ります。

ラッパーたちはそれなりに実力があるようだし、社会的な内容を込めた詞は
グランドマスター・フラッシュ「ザ・メッセージ」の'85年版のような狙いがあった
ものだと思われますが、バックのヘヴィな音に埋もれてしまって殆ど印象に残りません。
このレコードの良さはむしろB面のダブのほうで、当時のラスカルズの得意ワザだった
ハンマー・ビートが執拗に鳴らされ、後半ではエディットもびしばし入って非常に
カッコ良い。デジタル楽器中心で、典型的なエレクトロよりはちょっと後の音に
なりますが、インスト・エレクトロの名曲と言っていいのではないでしょうか。




"Facts Of Dub"

プロフィール
クロい音楽全般が好きなのですが、 ここではエレクトロとオールド・スクールの アナログ盤に絞って紹介していきます。

KDMX

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