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The Invinceables"Kong In The City Of Doom"(Success 31026)1984

konginthe.jpg

"Kong In The City Of Doom"は'84年にリリースされた、
ジ・インヴィンシーブルス(≒マイケル・スターリング)の最初の
シングル。マイケルの経歴に関しては、以前"Bet It Up"
紹介した際に書きましたので、そちらをご参照ください。

作/プロデュース/アレンジ/演奏/ミックスは全てマイケル自身に
よるもの。エンジニアの一人にこの後リミキサーとして名を上げる
キース・コーエンが参加していますが、彼もスタートはマイケルの
アシスタント的なポジションだったのでした。マスタリングの
マイク・フラーはクライテリア・スタジオを中心に多数の作品を
手掛けている人。マイケルを中心としたマイアミ人脈で固められた
レコーディングであることがわかります。

今作は、本来唄ものソウル系のアーティストであるマイケルが
初めてエレクトロ/ヒップホップ的な音作りに挑んだ作品のためか、
習作的な色合いが強く、お手本にしたと思しき過去のレコードからの
引用やアレンジの模倣がはっきりと聴き取れるところが面白いです。

ヴォコーダーが"City Of Doom~"と唄い、ティンパニがドンガンと
派手に打ち鳴らされた後、DMXのビートがスタート。男性が軽薄な
トーンで煽り、ガヤがそれに応えるように叫びます。エレクトロ感を
強調するビコビコのシンセ・ベースが鳴り始め、モリコーネの
「夕陽のガンマン」の口笛やソル・ブルームの"The Streets Of Cairo"を
引用した中近東風メロディをシンセが奏でます。つづいて力強い
男声コーラスが"Rock'N'Roll Is Our Law,See Ya Soon in The City
Of Doom! Rock! Roll!"と宣言するように唄い、その後「プラネット・
ロック」
風のMCポッピンでラップが始まります。合間にヴォコーダーや
電話のSEを交えながらラップがつづきますが、終盤にラップが抜けて
突然転調し、ヴォコーダーとシンセがホラー映画風にソロを取りながら
フェイド・アウトします。

妙に軽いシンセのフレーズにはガーション=キングスレイの"Popcorn"の
ような'60年代のムーグ・インストの名残も感じます。それと対照的に
オトコ臭いコーラスにはロックマスター・スコットの"The Roof Is On
Fire"を連想したのですが、これは曲のテーマからして狙ったマッチョさ
なのかもしれません。ループ感が薄く、メロディが聞き取れる展開、
ラップは入っているけどヒップホップ度は低い-といったところから
個人的にはそれほど好きではないのですが、エレクトロ狂の間では
やたらと人気が高い...マイアミ産にしては音が完成されていることが
意外に思われているのかもしれません。



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The Two Tough T Show"Shot Out(Chicken Head)"(On ON 102)1986

twotoughshow.jpg

ザ・トゥー・タフ・T・ショウはエイモス・ラーキンスサニービュー・レーベル傘下に
設立したオン・レコードでシングルを一枚だけ残したグループ。 この曲はレーベル
2枚めのリリースなのですが、最初のシングルはメガトロンズの"Rock The Planet"でした。

グループの中心メンバーはトゥー・タフ・T(Two Tough TまたはToo Tough T)こと
アンソニー・ロウリー。~ショウ名義での録音はこの1枚のみですが、この後はソロで
ダイナミクス・IIの"Just Give A D.J. A Break"にゲスト参加したり、マイロン・
ジョンソン(デザイナー・M.J.)とのデュオ名義でシングルを発表したりしています。
残りのメンバーは作曲者にクレジットのあるマイロン・ジョンソン、レナード・ルイス、
サム・ラティモアの3名。彼らはバック・ヴォーカル要員のようで、エイモスの関連作
によく参加している人たちですが、サムだけはジグ-ザグの"Circuit Breaker"
エイモスとは関わりのないレコードの制作にも携わっていたようです。

レーベルにはプロデューサー等のクレジットが一切無いのですが、下に挙げたコンピ
"Miami Electro Bass Classics"によると、プロデュース/演奏/録音/ミックス等は
全てエイモスによるもの。グループの面々は完成したトラックにラップ&ヴォーカルを
乗せる部分から参加したようです。

スタートと同時に複数のパーカッションが鳴り、ライヴ開演前の楽屋でメンバー達が
会話する様子が流れます。しばらくしてTR-808のビートが加わり、歓声の中、彼らが
ステージに登場。"Here Comes Two Tough~"と唄ったり、「母ちゃん、オレのグッチの
時計はどこ行ったんだ?」等とボケをかましたりします。シンセ・ベースがジングル風の
コミカルなソロを取った後、トゥー・タフを中心にかけ合いラップがはじまります。
詩の内容は「ラップする時に飲みすぎてちゃダメだろ」的なコミカルなもの。サビでは
2人のラッパーが交互に"Shot Out!"と激しく繰り返します。ちょうど幕間のように
シンセ・ベースのソロが再び入り、つづいてペニーという女性の話やら、メンバーが
夢の中でバットマンになった話が語られ、サビの"Shot Out!"連呼の後、「ユー・アー・
マイ・サンシャイン」の替え歌で「サンシャイン」の部分が「チキン・ヘッド」に替え
られて唄われます。"Chicken Head"というのはいわゆるお口のサービスのことだそうで、
「チキン・ヘッドには(髪型は)コーンロウが便利だね」等とお下劣にボケて観衆に
ウケまくり、その後はアドリブでスキャットが入ってフェイド・アウトします。

コミカルなストーリーテリングを主題とした内容はダグ・E・フレッシュ&スリック・リックの
"The Show"のマイアミ版といったところですが、下世話なノリと下ネタ中心の詞が
殆どケーシー高峰レベル(汗)。エレクトロとして真剣に評価するというより、
コミック・レコードとして参考程度に覚えておけばいい感じです。曲名の"Shot Out"
というのも「酩酊して記憶の無い状態」のことだそうで、そういうシチュエーションって
アメリカのコメディでは頻繁に用いられるからなぁ...








Co-Dee-Mi-Cee & Cocollo Creme"Rhythm Of The Beat"(Hide-A-Way Co-Dee,Creme 02)1986

codeemicee.jpg

コ・ディー・マイ・シー&ココロ・クリームは'80年代半ばに2枚のシングルを
残したMCのデュオ。本名はコ・ディー~がデリック・スミス(Derrik Smith)、
ココロ~がリッキー・アーチャー(Ricky Archer)といいます。

二人の経歴は全くわからず...デビュー・シングルの"Street Rhymes"は
レゲエ好きからはよく知られたプロデューサー、ハリー・ムーディーの
ムーズ・インターナショナルからリリースされているのですが、音楽的にも
メンバーの発音を聞いてもジャマイカのミュージシャンとは思えないので、
ハリーがマイアミまで赴いて現地のラッパーをスカウト~録音したものと
思われます。

今回の"Rhythm~"はその翌年に発表されたセカンド・シングル。作曲/
アレンジ/プロデュースはメンバー二人と(レコーディングが行われた)
ハイド・ア・ウェイ・スタジオのエンジニアであるジミー・スターで、
演奏も含めた殆どをこの3人で行ってしまったようです。ジミーは
このシングルが初仕事のようですが、この後はスティーヴィ・Bや
ダイナミクスIIの作品等、マイアミ産のレコードでエンジニアリングを
手掛けている人物。2000年以降はロック系の仕事が中心になっているので、
彼は白人かもしれません。

エコーのかかったTR-808がミディアム・テンポのビートを刻み、デリックが
"People all across the Nation Listen to this Awesome Sound Creation"と
唄います。スクラッチがグシャグシャと派手に両チャンネルを飛び交った後、
2人のMCが掛け合いラップをスタート。まだあどけなさが残る声ですが、
ラン=DMCを意識した(マイアミ産にしては)けっこう本格的な掛け合いを
聞かせます。キメで曲名を唱和した後ブレイクが入り、フリーダムの
"Get Up And Dance"がコスられます。その後はまた掛け合いに戻って
「オレ達のライムで皆を踊らせるぜ」等と喋ってサビではスクラッチ~という
流れが繰り返されますが、コスリネタが途中からハシム"Al-Naafiysh"
替わります。終盤は各々のMC名を連呼してスパッと終了。

TR-808のビートとスクラッチだけをバックにしたシンプルな音ですが、
T・ラ・ロック&ジャズィ・ジェイの"It's Yours"を思わせるクロいノリが
カッコイイです。B面の"Like Dis Y'All"と"Betty Sue"も前者はTR-808のみ、
後者はヒューマン・ビート・ボックスのみをバックにライムを聞かせる
内容で、彼らはMCとしての力量にかなり自信を持っていたことをうかがわせます。
マイアミ・ベース・サウンドもこういう路線で進化していけば良かったのに...
と思ってしまいました(汗)。



J.Griffin"Rock Attack"(Tashamba TAD 201)1982

jgriffin.jpg

J.グリフィンは'80年代初頭にマイアミ周辺で活動していた
男性シンガー。本名をジョニー・グリフィンと言うのですが、
ジャズ・サックス奏者のあの人とは別人です。

経歴等は全くわからないのですが、'82年にこのシングルで
デビューし、その後はこの曲のプロデューサーのノエル・ウィリアムズ
が関わった作品にゲスト・ヴォーカリスト/ラッパーとして
参加しています。

この曲は、タシャンバ・レーベル盤とその姉妹レーベルのコンダコから
出た盤があるのですが、スタッフ・クレジットが微妙に異なっていて、
コンダコ盤ではグリフィンも作曲者としてクレジットされていたり、
アレンジにダー・マーのロウレンス・ダーマーが関わったりしています。
タシャンバのほうはフレディ・ストーンウォールのサニービュー・
レコードがディストリビュートしているので、権利関係や利益の
分配を考えて(ワンマンな)ノエルがクレジットをいじったのかなぁとも
思うのですが、正確なところは不明です。

ディレイのかかったエレピがビヨンと鳴らされ、つづいて生のドラムが
ディスコ・ビートを刻み、リズム・ギターがファンキーに絡んできます。
男性コーラスが"Rock,Rock,Rock,Rock Attack!"と曲名を繰り返し、
その後はギター/エレピ/シンセ・ベースがソロを取って曲が進んで
いきます。ところどころでヴォーカルやシンセ類にダブ処理が施されつつ
インスト中心に進んでいき、そのままフェイド・アウトで終了。

打ち込み寄りにシフトしていくこの後のノエルの作品に比べると、
生演奏の比重が高く、シンセも入ったディスコ・インストといった感じの曲。
個人的にはこの曲のほうが手の混んだアレンジ、レゲエ・ルーツも
感じさせるダブっぽい音像も聴けて好きです。「エレクトロ化以降」の
曲は、妙にクリアーかつ音数が少なすぎて、どこかチープに感じて
しまいます。



Maggotron Crushing Crew(M.C.C.)"Bass Rock The Planet"(Pandisc PD 019)1986

maggotroncc.jpg

マゴトロン・クラッシング・クルー(以下MCC)はマイアミの怪人ジェイムズ・マコーリーが
手掛けたプロジェクトのひとつ。ジェイムズの経歴は以前マゴトロンのシングルを
紹介した際のものを参照してほしいのですが、訂正がありまして、彼らの作品で
よく使われているDJデボネア/クラウディオ・バレッラというのはジェイムズの
別名義ではなく、実在する人物でした。前回書いた時はDiscogsの"Alias(別名)"の
項目に入っていたのに、今回改めて見ると分かれていて、調べてみるとちゃんと
ご本人のMySpaceまであったという...クラウディオはイタリア系の白人男性で、
主にDJとしてレコーディングに参加、現在はデボネア・レコーズという自身の
レーベルで作品を発表しています。

MCCはジェイムズのほか、DJのホセ・マーティンとカルロス・エスピノーザから
成る3人組。マゴズルー・トゥー(Maggozulu Too)という別名義も持っています。
ジェイムズが重きを置いて活動していたマゴトロンとMCCとの違いは、おそらく
レーベルが違うからという部分のみ。ジョージ・クリントンが、自身のグループを
カサブランカからはパーラメント名義で、ウェストバウンドからはファンカデリック
の名義で出していたのと同様に、多作型のジェイムズは色々なところから作品を
出したかったのでしょう。MCCが所属していたパンディスク・レーベルは、マイアミ
周辺のインディでは一番の大手ですし...

"Bass Rock The Planet"は'86年にリリースされた、MCCとしてのデビュー・シングル。
マゴトロンは2年前の'84年から活動しているので、大手のディストリビューションに
乗せると(売上やプロモーション等が)どのぐらい違うか試してみたかったのではないかと
思われます。上に書いたホセとカルロスの二人のDJはまだ参加しておらず、作曲/
アレンジ/プロデュースはデミトリウスことジェイムズがひとりで行っています。

ヴォコーダーがクラフトワーク「ヨーロッパ特急」まんまなメロディで
"Bass! Rock! Express!"と唄い、DMXが細かくビートを刻んでスタート。シンセ・ベースが
ファンキーにうねり、ストリングス・シンセはオリエンタル風なフレーズを繰り返します。
"Stupid Rappers! Stupid! Stupid!"と罵倒するナレイションが左右のチャンネルから
繰り返し流れる中を、ヴォコーダーが唄って曲が進んでいきます。その後男性(ジェイムズ?)が
ラン=DMC風にラップを始め、ダギー・フレッシュ、カーティス・ブロウ、リサ・リサ&
カルト・ジャム等をつぎつぎと槍玉にあげていき、サビではヴォコーダーが曲名を
連呼します。その後ターゲットはマイアミのラッパー達に移り、フリースタイル・
エクスプレス
等をこき下ろした後、ドラム・ブレイクへ。更にMCシャイ-DやMC-A.D.E.等
後進のマイアミ勢も貶した後、最後に「俺たちマゴトロン、俺らだけが最高」といった
セルフ・ボーストで終わります。

これはジェイムズ版"Sucker M.C.'s"みたいなもので、コケにしているようでいて実は
敬意をはらってライバル視、ノリは格闘技のマイク・パフォーマンスや漫画の
バトル展開みたいなものでしょう。曲調はエイモス・ラーキンスの"Rock The Planet"
そっくり、ラップのスタイルはラン=DMCを意識、というように罵倒相手を真似ている
わけですし。最初の頃はみんな同じに聞こえていたマイアミのエレクトロ/ベース・
ミュージックも、だんだんと個性や音の違いが見えてきて面白く聴こえるように
なってきました(汗)。






プロフィール
クロい音楽全般が好きなのですが、 ここではエレクトロとオールド・スクールの アナログ盤に絞って紹介していきます。

KDMX

Author:KDMX

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