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Kool D. Ultimate MC's"Free Style"(T.A.Sound TA 100)1985

kooldultimate.jpg

クール・D.・アルティメイト・MCズは'85年にこのシングル一枚のみを
残して消えてしまった謎のグループ。メンバーの経歴や、各々の名前すらも
わかりません。

プロデュース/アレンジを担当したピーター・A.・アレンとブライアン・Q、
エグゼクティヴ・プロデューサーとクレジットされているトッド・ワード&
オコ・オコジェリ(アフリカ系か?)に関してもこの一枚以外のレコーディングは
見当たらず...レーベル面の最下段に「NYでラップを作ってくれて感謝」と謝辞が
述べられているバリー・メイヨとトニー・Qは、NYのラジオ局KISS-FMのDJと
ディレクターですが、彼らが制作に直接関わったようには見えないし...

Discogs内のこのレコードの詳細にencarnitaなる人物の投稿があり、それによると
彼らはこの翌年に"That's What I Hate"というシングルを発表している
マスターピースなるグループと同一とのこと。ただ、マスターピース側のデータを
見てもスタッフで重なる名前の人は居ないし、NY録音と思われるクール・D~に対して
マスターピースはマサチューセッツのレーベルからのリリースなので、真偽のほどは
不明です。"That's What~"は私も入手出来ていないので、この辺は今後の課題という
ことで...

グシャグシャとコスるスクラッチ音からスタートし、グループ名の"Ultimate!"が
スクラッチで連呼された後、TR-808がミディアム・テンポのビートを刻みだし、
マリンバ風のシンセが短くリフを入れます。つづいてブヨブヨのシンセ・ベースが
加わると同時に男性がラップを始め、ドスの効いたトーンで自らのMCスキルを語ります。
サビで短く冒頭のマリンバ風シンセと"Free Style!"という掛け声が入った後は
MCが交代しますが、ドラムとシンセ・ベースのみをバックにえんえん喋り倒す形は
変わらず。中盤に短くスクラッチがソロを取った後は再びMCのソロに戻り、3人いる
MCが順にマイク・リレーしていき、終盤はドラム/シンセ類が抜けてスクラッチのみを
バックに喋りながら終わります。

ラップの中でメンバーが「ジャジー・ジャズ」とか「クール・D」等と名乗っていたり、
「ニュー・ジャージーで~」と言ったりする部分があるので、この辺を調べれば
もう少し彼らのことが詳しくわかるかもしれません。ループ状のフレーズを繰り返す
シンプルなトラックのみをバックに、なかなかのテクニシャンが揃ったMCがライムを
聴かせる音は、初期のLL・クール・Jを思わせる感覚でカッコ良い。エレクトロと
ハードコアなヒップホップの中間のような印象で、個人的にもお気に入りの一枚です。



このレコードは、オフィシャル・リリース前のテスト・プレス盤も出回っているのですが、
その盤には何故かレーベルにパンク/サイコビリー系バンド、クランプスの
"Gravest Hits"('79年)のものが貼られています。謎は深まる...

koold_1stpress.jpg








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O.G.C."Bugging Out"(Web WB 77303)1985

ogc.jpg

O.G.C.は"Old Gold Crew"の略。'90年代にアルバムを出していた
ブート・キャンプ・クリック一派のグループとは無関係です。メンバーは
クール・アイス・C、チャーリー・D、レグ・ラヴ(Reg Love)、マネー・マイクの
4名。作曲者に名のある4名-R.Toney,T.Clair,M.Gibson,C.Dozier-が各々の
本名と思われます。

彼らは'70年代からニュークリアスのライヴァル・グループとして活動していて、
様々な場面でお互いに張り合っていたそうですが、個々のメンバー間では仲良く
していたとのこと。もともとグラフィティ・ライターだったチャーリー・Dは、
コズモ・D(ニュークリアスのリーダー)のグラフィティの師匠的な存在、
レグ・ラヴはニュークリアスのDJのドクター・フリーズと旧知の中だった、
クール・アイス・Cはコズモのプロデュース作にたびたびゲスト参加していた、
マネー・マイクはこの後ニュークリアスの変名グループに関わる・・・等々。
おそらくクリスチャン系のアーティスト独特のサークルみたいなものが
あったのではないかと思うのですが、そんな親密な間柄から、コズモ・Dと
チリー・Bのジャム・オン・プロダクションズでは初の外部アーティストの
プロデュース作として今作が作られることになります。

レーベル上のクレジットではプロデュースはニュークリアスの時と同様に
ジョー・ウェッブとフランク・フェアの二人になっていますが、実際に
音を作っていたのはコズモとチリーのコンビ。レーベルのWebはこのシングル
1枚しか確認出来ていないところですが、ジョー・ウェッブ個人のレーベル
だとのこと。

DMXのアップ・テンポのビートと共にメンバーがユニゾンで"We Buggin'x3,
ハッハーッ、We Buggin' Out!"と唄い、それが何度か繰り返された後に
集団ラップがスタート。フューリアス・ファイヴトレチャラス・スリー
思わせる正統派のスタイルで、DMXとわずかなシンセ・ベースのみをバックに
MCの力で冒頭2分ほどを引っばり、その後TR-808やホーン・シンセが加わって
きます。短い間奏を挟んでソロ・パートがはじまり、自分たちがいかに優れた
MCかをアピール+小節末ではガヤという形で盛り上げ、キメでは冒頭のコーラスが
呪文のように繰り返されます。ところどころにシンセ・ソロやドラム・ブレイクが
入りつつ集団ラップ中心で曲はすすみ、一段落してメンバー間の会話~コーラス~
スネア連打で終了。

ニュークリアス本体の作品では、もっとシンセ類の音色やヴォコーダー等を
前面に出しているように思うのですが、今作での主役はメンバー達による
集団ラップ。リズム重視のシンプルなトラックと、強くアクセントをつける
MCたちの暴れっぷりがカッコ良い。隠れた名作のひとつと言っていいのでは
ないでしょうか。



レーベルの色はゴールド、オレンジ、ピンクの3色がありますが、
ゴールドが初回プレス盤だとのこと。

The Troids"Boggie Troids(From Mars)"(Metrexx MT 4001)1984

troids.jpg

トロイズはプロデューサー/アレンジャーのルイス・ウェスト
(Lewis West)とピーター・ブリーラヴ(Peter Breelove)による
プロジェクト。この名義ではこのシングル1枚しかリリースしていません。
レーベル面には「アルバム"Space Bandit"からのシングル・カット」と
書かれていますが、そのアルバムも発表されていません。

二人の詳しい経歴は不明ですが、どちらも'83年前後から活動を
始めています。今作には不参加ですが、二人とよく仕事をしているのが
バーナード・トーマス。彼が関わったヴェリチェリ、ニュース・クルー、
エレクトリック・パワー・バンド、4・キラー・MCズ等のレコーディングに
ルイスかピーターの何れかが参加しています。トーマスやザキア・レーベルの
勢いが落ちていくと同時に二人の名前も見られなくなっているので、
トーマスの子飼いのミュージシャンということで間違いなさそうです。

今作の作曲/プロデュース/アレンジ/演奏はルイスとピーターの二人。
曲名は"Boggie~"となっていますがこれは"Boogie Troids"のミススペルの
ようです。

シン・ドラムとハンマー・ビートをバックに、ダース・ベイダーのような
「ハー・ハー」という呼吸音と太い男声のナレイションが入り、「我々は
トロイズだ。ただいま地球に接近中~」等と語ります。つづいてTR-808が
アップ・テンポのビートを刻み、シンセ・ベース/ホーン・シンセも加わります。
ピッチ変更した子供声の宇宙人が「あれが地球だ!」と騒いだかと思うと、
"We Are Boogie Troids From Mars!"と繰り返します。「プラネット・ロック」
派手にしたようなトラックをバックにチップマンクス風ラッパーが唄う・・・
というかたちで曲が進んでいきます。ところどころで冒頭の親玉宇宙人と
会話してアクセントをつけつつ、世界中をトロイズ流ダンスで盛り上げ、
ひととおり終えると地球を離れ、宇宙船の離陸音のようなシンセで終わります。

宇宙をテーマに子供のようなピッチ変更声がユニゾンでラップして盛り上げる、
というスタイルはニュークリアスの"Jam On Revenge"を明らかに意識したもの。
ルイス達は最後までこれといったヒット曲を出せなかったのですが、その過程で
いろいろと試してみたもののひとつがこれなのでしょう。パクリ云々を気に
しなければ、なかなかカッコ良いエレクトロに仕上がっています。






白レーベルのプロモ盤は微妙にヴァージョンが違い、曲名のスペルも
"Boogie Troids"になっています。

Power Jam"N.Y.C."(Mega MGA 2281)1985

powerjam.jpg

パワー・ジャムはNY出身のセッション・ミュージシャンである
ベン・マーギュリーズ(Ben Margulies)とスコット・マーティン
(Scott Martin)によるプロジェクト。この名義ではこのシングル1枚
だけしかリリースしていません。

ベンは十代の頃からドラムの名手として地元NYでは話題を集め、
クラブでのパフォーマンス~スタジオでのセッション・ミュージシャン
としてキャリアをスタート。'83年にはニュー・ウェイヴ系グループ、
コマティーンズのライブ時のドラマーに加入し、知名度を徐々に
上げていきます。翌年には(こちらもセッション・シンガーとして
長い経歴を持つ)フォンジー・ソーントンのセカンド・ソロ"Pumpin'"
ドラム/プログラミングで参加。その他にもクレジットはされていない
ものの、数多くの録音/ライヴに関わっていたようです。

スコット・マーティンはジャズ畑出身のキーボード奏者。彼も
スタジオ・ミュージシャンとしてキャリアを積んできた人物で、
E,W&Fや元シカゴのロバート・ラム、カーリー・サイモン等の
レコーディングに参加してきたそうです。またブロードウェイ・
ミュージカルの音楽監督も何度かつとめたとのこと。

この二人がどういった経緯で知り合ったのかは不明ですが、スタジオや
ライヴの現場でちょくちょく顔を合わせる間柄ではあったのでしょう。
二人とも生演奏だけでなく、打ち込みやシンセ類の扱いにも慣れて
いたため、スタジオでの遊び的なところから今作が生まれたのでは
ないかと思われます。"Pumpin'"の翌'85年にディスコ系のレーベル、
メガから発表されたのが今作です。

作曲/プロデュースはベン&スコットの二人。ミックスのトミー・
ムストとマット・ノーブル、エディットのトミー・ソッツィは当時
メガや25・ウェスト等のレーベルでダンス/エレクトロ系の作品に
多数関わっていた人物です。メンバーを含めてスタッフ全員が白人で、
ヒップホップ系のクラブの現場から上がってきてレコーディングに
至った、というパターンでは無いことがわかります。

エディットされたサンプリング・ドラムの連打からはじまり、DMXが
ミディアム・テンポのビートを刻み、キラキラしたシンセのリフレインが
のります。つづいて正体不明の二人の男性がラップを始め、あどけなさが
残る声ながらNYがどれほどヒップな街かをアピールしていきます。間に
短くシンセのソロを挟みながら二人の掛け合いラップがつづき、その後
ハード・ロック風ギター/DX7のベースが加わります。この辺りから
エディットの比重が大きくなっていき、シンセのリフやドラム・ソロ、
オーケストラ・ヒット等が激しくエディットされながら鳴らされます。
ラップやドラム類が抜けてシンセだけが流れる中で終了。

二人のラッパー(彼らが実はパワー・ジャムというグループ本体?)に
関するクレジットが一切無いのが困ってしまうところです。写真を
見た感じでは、ベンやスコットがラップをするタイプにはとても見えないし...
マット・ノーブルは、この頃シングル1枚だけのヒップホップのグループを
多数手掛けているので、彼の子飼いの無名のラッパーをノン・クレジットで
おだてて参加させたのかもしれません。その辺の不透明さを除くと、
エディットも派手にキマったなかなかカッコ良いエレクトロでした。

この後のベンは、以前からの知り合いだったマライヤ・キャリーの
デビュー作に曲を提供して成功をおさめ、現在は自らのスタジオを
運営しているようです。スコットはジャズ畑に戻り、デンバーを
拠点に自らのピアノ・トリオを率いて活動しています。



最近のベン↓   
ben.jpg


とスコット。↓
scott01.jpg
この二人が「オレらも若い頃はBボーイだったんだぜぇ」とかいう
タイプだったらちょっと驚きます(笑)が。




Goldie"Crack Kid"(Real Def RD 2000)1986

goldie.jpg

ゴールディは'86年のこのシングル一枚で消えてしまった女性ラッパー。
レーベルの住所からしてブロンクスの出身と思われますが、経歴も、
本名すらもわかりません...

ゲスト参加している「ヒューマン・ビート・ボックス・キング」、
ラモント"ケンドゥ"ジェームズ(ゴールディの甥らしい)もレコーディング履歴は
この一枚のみ。プロデュース/作曲のロバート・ジェームズは
クラウン・ハイツ・アフェア等と関わりのあったキーボード奏者、
コ・プロデュースのゼドリック・ターンバウはジャズ~ロック~R&Bと
幅広くレコーディングに参加しているヴォーカリストです。
ややR&B~ポップス寄りの人脈で作られたヒップホップという感じで
しょうか。

曲名にもなっているように、今作は当時話題になりはじめていた麻薬の
一種、クラックの問題を取り上げたもの。メリー・メルの「ホワイト・
ラインズ」等と同様に、「ドラッグには手を出しちゃダメ!」と訴える
真面目な内容です。クラックが登場したのは'84年ぐらいらしいので、
そろそろ社会問題として浸透してきたということなのでしょうか...

イントロからエコー&ディレイのかかった声でゴールディがしゃべり出し、
つづいてDMXがミディアム・テンポのビートを刻み、シンセ・ベースが
プニューと唸ります。アレンジの感じはファブ・ファイヴ・フレディ
"Change The Beat"
風。つづいてダミ声の男性が登場し、気味の悪い
トーンで煽ったところでゴールディのラップへ。ビートがラン=DMC
"Sucker M.C.'s"
調に変わって、「クラックはあなたの健康を蝕む薬、
かつては健康だったのに、今では...」というように語り出し、つづいて
ルーディ&ジュディという男女の物語へと変わっていきます。サビでは
ダギー・フレッシュ風(だけどかなり下手)なヒューマン・ビート・ボックスが
入り、その後はゴールディのラップ/ヒューマン・B.B./シンセ・ベースが
三つ巴で絡んで曲が進んでいきます。終盤はゴールディが"Leave That
Crack Alone!"と繰り返しながらフェイド・アウトしていきます。

これが'83年作だったらそれなりにカッコイイと思えそうなのに、どうも
音が借り物ぽくてパッとしない...ヒューマン・ビート・ボックスが
私にも出来そうなぐらい下手(笑)なのもガッカリ感に拍車をかけています。
けっきょく詞のネタのトピカルさだけがウリ、ということですかね。



プロフィール
クロい音楽全般が好きなのですが、 ここではエレクトロとオールド・スクールの アナログ盤に絞って紹介していきます。

KDMX

Author:KDMX

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